日本の重伝建地区119選 ~国が認めた、貴重な歴史的町並みの保存地区~

町並み解説
町並み解説

古い町並み(伝統的な建造物群)を保存するために、市町村が条例などを定めて保護している地区を「伝統的建造物群保存地区」といい、中でも特に価値が高いものとして国が選定している地区を「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)」といいます。

つまり、国レベルで保存していこうということになった、価値の高い古い町並みというわけですね。
1976年に、7か所の町並みからスタートしたこの地区も、2026年5月には130地区まで増えました。(松江市美保関を新たに答申)
今後もさらに追加されていくものと思います。

このページでは、その重伝建地区のうち当サイトが取材済みの119か所を、簡単に紹介しています。
(リンク先の多くは、「まちなみ街道」本館のページとなっています)

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北日本エリアの重伝建地区

函館市元町末広町(北海道・港町)
神戸や横浜に先立って貿易港として開港した函館。元々は蝦夷地交易の拠点として栄えました。函館山麓に数多くの洋風建築が残り、港から伸びる坂道からその姿が見られます。

函館市元町末広町(北海道・港町)

弘前市仲町(青森県・武家町)
津軽地方の中心地として発展した城下町。市内の各所で歴史を感じる風景が見られ、城の北側の仲町周辺には武家屋敷町などの古い町並みがまとまって残っています。

弘前市仲町(青森県・武家町)

黒石市中町(青森県・商家町)
収穫物の集積地として栄えた城下町で、全国から商人が移り住みました。街道沿いに伝統的な商家が残り、雪を防ぐために造られた「こみせ」が通りに沿って続きます。

黒石市中町(青森県・商家町)

金ケ崎町城内諏訪小路(岩手県・武家町)
平安時代以来の歴史を持ち、江戸時代には仙台藩21要害の一つである金ヶ崎要害(金ヶ崎城)が置かれた軍事上の重要拠点です。北上川沿いという立地を生かし、その支流を堀として利用することで城下町の整備が行われました。

金ケ崎町城内諏訪小路(岩手県・武家町)

村田町村田(宮城県・商家町)
花を初めとした商業で栄えた町でもあり、「村田商人」と呼ばれた商人の屋敷が、現在も旧街道の表通りに沿って建ち並びます。東日本において良くみられる蔵造りの建物が特徴的で、その重厚な造りは見事です。

村田町村田(宮城県・商家町)

横手市増田(秋田県・在郷町)
「くらしっくロード」とも呼ばれる中七日町通り沿いに商家が建ち並びます。「内蔵」という屋敷の奥に作られた蔵が特徴で、母屋と共に「鞘」と呼ばれる囲いに覆われて、外からは見えないようになっています。

横手市増田(秋田県・在郷町)

仙北市角館(秋田県・武家町)
中世以来の歴史を持つ城下町です。初代の佐竹義隣が京都の公家出身だったことから京文化の影響が濃く、みちのくの小京都とも呼ばれます。広い通りに沿って黒板塀が続く内町武家屋敷通りを初めとして、町の至る所に歴史的な町並みが残ります。

仙北市角館(秋田県・武家町)

喜多方市小田付(福島県・在郷町/醸造町)
江戸時代に酒造業や醸造業によって繁栄した町です。明治初期の大火において蔵が焼け残ったことを教訓に、蔵が次々と建てられたことから、今も多くの蔵が残ります。

喜多方市小田付(福島県・在郷町/醸造町)

下郷町大内宿(福島県・宿場町)
一直線の通りに沿って茅葺き屋根がずらりと並ぶ景観で知られる宿場町です。全国でもほとんど例のないこの眺めは一見の価値ありです。雪が残る冬の景色も素晴らしいです。

下郷町大内宿(福島県・宿場町)

北日本エリアでは、他にも南会津町前沢(福島県・山村集落)が重伝建地区に選定されています(当サイト未取材です)

関東エリアの重伝建地区

桜川市真壁(茨城県・在郷町)
この地に城を築いた真壁氏が、その城下町として整備したことから発展が始まった町です。格子状の通りを中心とした城下町の町割りが今もそのままに残り、かつての商家が建てた見世蔵などが通りに沿っていくつも現存します。

桜川市真壁(茨城県・在郷町)

栃木市嘉右衛門町(栃木県・在郷町)
日光例幣使街道の宿場町で、市内を流れる巴波川の水運によって「北関東の商都」と呼ばれるほどに発展しました。街道沿いなどに古い町並みが残り「蔵の街」として人気です。

栃木市嘉右衛門町(栃木県・在郷町)

桐生市桐生新町(群馬県・製織町)
江戸期から昭和初期にかけて絹織物業で繁栄した町で、本町の通りに沿って並ぶ蔵や町家など、その名残が感じられます。近年まで繁栄が続いたことから近代建築も多く、昭和レトロ系が好きな方にもおすすめできる町です。

桐生市桐生新町(群馬県・製織町)

中之条町六合赤岩(群馬県・山村/養蚕集落)
群馬県の山間部にある旧六合村の赤岩は、伝統的な養蚕集落として知られています。三階建てなどの養蚕農家の建物や土蔵が残り、小さな観音堂がいくつも点在しています。

川越市川越(埼玉県・商家町)
重厚な店蔵が建ち並ぶ古い町並みが今も残り、「小江戸」の代表格としても知られる町。新河岸川の水運で栄えた町で、江戸と同じくらいの古い歴史を持つ城下町です。

香取市佐原(千葉県・商家町)
利根川水運の拠点として、また香取街道などの街道が交差する陸運の要所としても繁栄した商業都市です。小野川沿いに蔵造りなどの商家が建ち並ぶ町並みは見事で、関東を代表する町並みの一つです。

香取市佐原(千葉県・商家町)

甲信越エリアの重伝建地区

佐渡市宿根木(新潟県・港町)
北前船の運航で富を集めた町です。きわめて狭い土地に百軒以上もの家屋が密集しているのが特徴で、その町並みはまるで迷路のよう。その家屋は船大工の手によるもので、壁も船のような板張りだったりします。

佐渡市宿根木(新潟県・港町)

早川町赤沢(山梨県・山村/講中宿)
身延山久遠寺と、山岳信仰で知られる七面山を結ぶ身延往還の宿場町です。信仰者の集まりである「講」が定宿としたことから、赤沢の宿は「講中宿」と呼ばれます。かつての宿の軒下に並ぶ「板マネギ」が特徴的。

早川町赤沢(山梨県・山村/講中宿)

甲州市塩山下小田原上条(山梨県・山村/養蚕集落)
大菩薩峠へと向かう青梅街道からさらに山中を分け入った場所に位置する上条は、「甲州民家」と呼ばれる独特の建物が残る集落です。「突き出し屋根」という構造が設けられているのが特徴で、養蚕の際の採光や換気が目的だったようです。

甲州市塩山下小田原上条(山梨県・山村/養蚕集落)

東御市海野宿(長野県・宿場/養蚕町)
江戸幕府が佐渡で取れた金を江戸まで運ぶための中継地点として開いた宿場町。明治になって宿場町の必要性がなくなってからは、宿の建物を養蚕に転用して繁栄しました。美しい町並みで、どこを撮影しても絵になる感じでした。

東御市海野宿(長野県・宿場/養蚕町)

南木曾町妻籠宿(長野県・宿場町)
中山道の木曾十一宿の一つです。全長一キロ近くに渡って続く町並みはかなりの規模で、かつての宿場町というものがいかに立派だったのか想像できます。木曾十一宿には他に福島宿や奈良井宿などがありますが、当時はこの妻籠が最も規模の小さな宿場だったというから驚きます。

南木曾町妻籠宿(長野県・宿場町)

塩尻市奈良井(長野県・宿場町)
中山道の中でも特に険しい道のりで知られた「木曾十一宿」の宿場町です。深い谷間を通る街道に旅籠屋が建ち並び、「奈良井千軒」と呼ばれるほどでした。峠へ向かう坂道に沿って「出梁造り」の家々が並ぶ風景は素晴らしいです。

塩尻市奈良井(長野県・宿場町)

塩尻市木曾平沢(長野県・漆工町)
400年以上の歴史を有すると言われる、「木曽漆器」の生産地。中山道の両側に漆器店が並んでいて、生産と販売が一体となって繁栄しました。隣接する奈良井宿を補完する役目の町(枝郷)という性格も持っています。

塩尻市木曾平沢(長野県・漆工町)

白馬村青鬼(長野県・山村集落)
江戸から明治に建てられた、大規模な古民家が残る山村集落。中二階の正面だけ屋根を切り取ったような、かぶと造りが特徴です。「青鬼堰」と呼ばれる用水路が造られ、棚田が広がる美しい風景が見られます。集落のかなたに見える北アルプスも見事。

白馬村青鬼(長野県・山村集落)

千曲市稲荷山(長野県・商家町)
善光寺街道とも呼ばれた北国西往還最大の宿場町として繁栄した町です。明治期にかけては生糸や絹織物を扱う商業の町としてもにぎわいました。蔵造りの非常に重厚で立派な建物が多数見られ、旧本陣松木家の建物も現存します。

千曲市稲荷山(長野県・商家町)

須坂市須坂(長野県・製糸町/商家町)
須坂藩の陣屋が置かれた陣屋町で、三つの街道が分岐する交通の要衝でもありました。この交通の便を生かして生糸の生産地として発展し、繭の保管に用いられた三階建ての蔵(観光交流センターとして活用)など、多数の蔵が今も残っています。

須坂市須坂(長野県・製糸町/商家町)

甲信越エリアでは、他にも佐渡市小木町(新潟県・港町)と長野市戸隠(長野県・宿坊群/門前町)とが重伝建地区に選定されています(当サイト未取材です)

東海エリアの重伝建地区

焼津市花沢(静岡県・山村集落)
日本坂峠へと至る道沿いの集落でお茶やみかんの栽培で栄えました。立派な石垣や黒い下見板張りの家屋が谷川沿いに続き、「花沢三十三軒」と呼ばれた風景が今もそのまま残ります。山奥のようですが、焼津市街から意外に近いです。

焼津市花沢(静岡県・山村集落)

豊田市足助(愛知県・商家町)
三河の塩を伊那や信州へ運ぶルートだった中馬街道の宿場町。今でも塩問屋の建物や塩蔵が残ります。足助川沿いの石垣の上に木造家屋が立ち並び、川に沿って発展した町なのがよくわかります。紅葉の名所として知られる香嵐渓に隣接しています。

豊田市足助(愛知県・商家町)

名古屋市有松(愛知県・染織町)
東海道五十三次の知立宿と、鳴海宿の間に設けられた「間の宿」。江戸時代初期に作り出された「有松絞り」が有名です。正規の宿場ではないのに、これほどに東海道の宿場の面影が残っているのが面白いですね。

名古屋市有松(愛知県・染織町)

高山市三町/高山市下二之町大新町(岐阜県・商家町)
戦国時代、金森長近が築いた城下町です。江戸時代に入ってからは天領となり、高山陣屋がおかれました。名高い飛騨の匠によって造られた町並みは日本を代表するもの。商家や造り酒屋などの伝統的な家屋が、狭い通りにずらりと並ぶ古い町並みが見事です。

高山市三町(岐阜県・商家町)

美濃市美濃町(岐阜県・商家町)
町の北側を流れる長良川の川湊の町で、美濃紙の集散地として発展しました。湊跡には江戸時代に建てられた灯台が残ります。その繁栄ぶりは、建ち並ぶ立派な家屋の数々と、その屋根に上がる本卯建に今でも見て取ることができます。

美濃市美濃町(岐阜県・商家町)

恵那市岩村町本通り(岐阜県・商家町)
三大山城の一つ、岩村城の麓に位置する城下町です。海抜標高が日本一の岩村城は鎌倉時代に築城され、その後に織田信長の叔母が女城主となったことでも知られます。「岩村本通り」沿いに古い町並みが残ります。

恵那市岩村町本通り(岐阜県・商家町)

白川村萩町(岐阜県・山村集落)
いわゆる「白川郷」です。岐阜県の最北端近くにある集落で、合掌造りの家屋が建ち並ぶ様子は現代の風景とは思えないくらいで、世界遺産となっているのもうなずけます。この大きな家の中で、数十人もの大家族が一つの屋根の下で暮らしていたといいます。

白川村萩町(岐阜県・山村集落)

郡上市郡上八幡北町(岐阜県・城下町)
奥美濃の小京都とも呼ばれます。名水百選の一番手に選ばれている宗祇水や吉田川など、町なかの至るところに澄んだ水が流れています。八幡城の麓には柳町や職人町(左写真)などの古い町並みが残り、いわゆる「袖うだつ」を持つ家屋がずらりと並ぶ様が美しいです。

郡上市郡上八幡北町(岐阜県・城下町)

関町関宿(三重県・宿場町)
1.8キロの距離に渡って宿場町の町並みが残り、玉屋を初めとする旅籠屋もその姿をとどめています。宿場町として全国屈指の町並みで、東海道五十三次の中でここまで見事に残っているのは関宿だけと言って良いでしょう。

関町関宿(三重県・宿場町)

北陸エリアの重伝建地区

南栃市相倉南栃市菅沼(富山県・山村集落)
いわゆる「五箇山」と呼ばれる地区です。富山県の岐阜県境近くにあるこの二つの集落は、合掌造りの家屋が多数残ることから、世界遺産に登録されています。近くの白川郷に比べて規模は小さめですが、のどかな雰囲気が素晴らしく、ファンタジーの世界のようです。

南栃市相倉(富山県・山村集落)
(相倉集落)
南栃市菅沼(富山県・山村集落)
(菅沼集落)

高岡市金屋町(富山県・鋳物師町)高岡市山町筋(富山県・商家町)
高岡は北陸地方有数の都市で、人口十万台の都市として唯一の路面電車(万葉線)が走り、「日本三大仏」である高岡大仏(昭和初期に再建)や国宝の瑞龍寺があるなど見どころが多いところ。元城下町の中心市街地には、前田家によって鋳物師が集められた金屋町と、重厚な土蔵造りの商家が数多く残る山町筋の二か所の重伝建地区があります。

高岡市金屋町(富山県・鋳物師町)""
(金屋町)
高岡市山町筋(富山県・商家町)
(山町筋)

高岡市吉久(富山県・在郷町)
高岡市内の三か所目の重伝建地区で、小矢部川と庄川の河口近くにある集落です。水運に向いた地形であったことから、加賀藩の年貢米を保管する倉庫(「御蔵」)が置かれ、米穀を扱う商人が集まるなどして繁栄しました。出格子が特徴的な商家などの建物が、多数現存しています。

高岡市吉久(富山県・在郷町)

金沢市ひがし茶屋街(石川県・茶屋町)
江戸時代に加賀藩が整備した茶屋街です。犀川近くの石畳の通りに、二階建ての茶屋の建物が建ち並ぶ様子には、いかにも茶屋街らしい風情が感じられます。表通りだけではなく、周囲の狭い路地にも昔ながらの家屋が多数残ります。

金沢市ひがし茶屋街(石川県・茶屋町)

金沢市主計町(石川県・茶屋町)
浅野川の西側にある、金沢を代表する茶屋町の一つです。川の反対側に当たる「ひがし茶屋町」よりも後、明治時代になってから発展しました。出格子や飾り窓などが特徴的な茶屋建築が川べりに並びます。現在でも、高級料亭などが集まっています。

金沢市主計町(石川県・茶屋町)

金沢市卯辰山麓(石川県・寺町)
浅野川の東側、ひがし茶屋町に隣接するエリアです。曲がりくねって入り組んだ道に沿って、寺院群を中心とする風景が見られます。坂や石段も多めで、金沢のちょっと違った一面が見られるかもしれません。

金沢市卯辰山麓(石川県・寺町) class=

金沢市寺町台(石川県・寺町)
犀川の南にある区域で、卯辰山麓と同じくたくさんの寺院が集まる寺町。通りに沿って並ぶ寺院の合間に、町家が残るという感じの景観が見られます。「忍者寺」として人気の妙立寺などもあるので、観光客も多いエリアです。

金沢市寺町台(石川県・寺町)

加賀市加賀橋立(石川県・船主集落)
北前船の運航で富を得た、船主屋敷が集まる集落です。元々が農村集落であるためか、港町の雰囲気がさほど感じられないのが印象的でした。代表的な船主屋敷である、旧酒谷家(北前船の里資料館)と蔵六園にはぜひ立ち寄りたいところです。

加賀市加賀橋立(石川県・船主集落)

加賀市加賀東谷(石川県・山村集落)
加賀市の山中に位置する東谷地区は、炭焼きの里として栄えた集落群。四つの集落が、その間をつなぐ道筋も含めて重伝建地区に選定されています。耕作された斜面に、煙出しのある赤い瓦屋根の民家が点在する様子は桃源郷のようでした。

加賀市加賀東谷(石川県・山村集落)

輪島市黒島地区(石川県・船主集落)
北前船の廻船問屋が集まる船主集落として、400年以上前から繁栄しました。能登半島に約60箇所もあった天領の中でも有数の規模を誇ったとか。奥能登への入り口辺りに当たる場所で、やはり風情が本当に素晴らしいですね。
(注:2024年の能登地震の影響を大きく受け、現在は復旧が進められています)

輪島市黒島地区(石川県・船主集落)

白山市白峰(石川県・山村/養蚕集落)
白山への玄関口に当たる、山深い場所にある町です。地域の重要な拠点で、江戸幕府の天領でした。手取川沿いの小さな平地に古くからの市街地が密集する様子は趣がありますね。温泉地でもあり、立派な「総湯」が町の中心にあります。

白山市白峰(石川県・山村/養蚕集落)

若狭町熊川宿(福井県・宿場町)
若狭街道の宿場町。日本海で採れた海産物を京都に運ぶ重要ルートで、京料理の文化を支える役割を果たしました。水運の拠点でもあり、物資の取引で富を得た商家も多かったとのこと。今も残る美しい町並みが、その繁栄ぶりを今に伝えます。

若狭町熊川宿(福井県・宿場町)

南越前町今庄宿(福井県・宿場町)
京と北陸を結ぶ北国街道の宿場町です。北国街道整備前の旧道に当たる木ノ芽峠越えの街道も、この今庄宿を通っていました。トンネル開通でルートの大きく変わった新旧の北陸本線もどちらも今庄駅を通っていて、まさに古くからの要衝ですね。

南越前町今庄宿(福井県・宿場町)

小浜市小浜西組(福井県・商家町/茶屋町)
古くから関西との結びつきが強かった港町で、平城京の時代からすでに海産物や塩の供給地となっていました。「鯖街道」を通じての京都との文化的なつながりもあり、茶屋町である三丁町に残る出格子が続く町並みは、京文化の影響を感じさせます。

小浜市小浜西組(福井県・商家町/茶屋町)

関西エリアの重伝建地区

大津市坂本(滋賀県・里坊群/門前町)
延暦寺と日吉大社の門前町です。里坊と呼ばれる僧侶の住居が建ち並び、穴太衆積みの石垣が通りの両側に続く独特の景観が見られます。旧竹林院や律院など、いくつかの里坊庭園は一般公開されていて、その内部を伺い知ることができます。

大津市坂本滋賀県・里坊群/門前町)

近江八幡市八幡(滋賀県・商家町)
堀に沿って蔵が建ち並ぶ「八幡掘」の美しい風景が素晴らしい町です。碁盤の目状になっている旧市街地のあちこちに、近江商人が暮らした商家の町並みが残ります。アートイベントの際には、町家の内部を見学することもできます。

近江八幡市八幡(滋賀県・商家町)

東近江市五個荘金堂(滋賀県・農村集落)
近江商人発祥の地と言われる集落です。江戸の初め頃、大和の郡山藩が陣屋を置いたことから発展が始まったと言われます。堀割に沿って立派な蔵屋敷が並ぶ風景は非常に整った見事なもので、農村集落というよりは都市的な景観のようにも感じられます。

東近江市五個荘金堂(滋賀県・農村集落)

彦根市河原町芹町(滋賀県・商家町)
彦根城が築城されてから明治に至るまでの約三百年間、湖東の中心として栄えた町です。現在でも国宝の彦根城天守閣を初めとする多くの文化財が市街地の各所に数多く残ります。芹川沿いの河原町・芹町地区には城下町と中山道を結ぶ経路だった地域で、町家などが連なって建ち並ぶ景観が見られます。

彦根市河原町芹町(滋賀県・商家町)

京都市上賀茂(京都府・社家町)
上賀茂神社の神官が住居を構えた「社家町」。明神川の流れに沿って、二十数軒の社家が建ち並びます。巡らされた塀と、門の前にかかる石橋が特徴的。明神川の上流は御手洗川として神社の境内を流れており、澄んで美しい水が印象的です。

京都市上賀茂(京都府・社家町)

京都市産寧坂(京都府・門前町)
清水寺の門前町として発展した地区で、清水焼の町としても知られます。東山の斜面に位置していて、東山の地形の起伏が変化に富んだ独特の風景を作り出しています。清水寺から産寧坂(三年坂)、二年坂、一年坂と連なるかなり広い区域で、「八坂の塔」と通称される法観寺五重塔も町並みのあちこちから見えます。

京都市産寧坂(京都府・門前町)

京都市祇園新橋(京都府・茶屋町)
京都五花街の一つである「祇園甲部」に属する花街です。石畳の通りに沿って、出格子が特徴の二階建てのお茶屋が通りに沿って並ぶ風景は、京都を代表するものと言っても良いかもしれません。今も芸舞妓さんを抱える、現役の花街です。

京都市祇園新橋(京都府・茶屋町)

京都市嵯峨鳥居本(京都府・門前町)
嵯峨野の奥に姿を現す町並み。元々は農・林業や川での漁業を生業とする集落で、都市的な町家の並びと農村的な景観が集落内で共存するというのが独特です。その歴史はかなり古く、室町時代にさかのぼるといいます。愛宕街道沿いに茅葺き屋根が並びます。

京都市嵯峨鳥居本(京都府・門前町)

南丹市美山町北(京都府・山村集落)
京都府北部の山間に位置する小さな村です。色んな季節に訪れていますが、茅葺き屋根が見事に並ぶこの集落の姿は奇跡的なものにさえ思えます。ただ滞在して、集落の中をぶらぶらしているだけで心地よい場所です。

南丹市美山町北(京都府・山村集落)

伊根町伊根浦(京都府・漁村)
丹後半島の東側に位置する港町。平地がほとんどないため、伊根湾をぐるりと囲む狭い一本道の両側に家屋がずらりと並びます。海側に立ち並んでいるのがいわゆる船屋で、いつでも海に向かって船を出せるような造りになっています。

伊根町伊根浦(京都府・漁村)

与謝野町加悦(京都府・製織町)
二百五十年の歴史を持つ高級絹織物、丹後ちりめんの産地で、日本一のちりめん生産地となっています。ちりめん街道と呼ばれる旧街道沿いに、古い町並みが残ります。通りを歩くと、あちこちから機織りの音が聞こえてきました。

与謝野町加悦(京都府・製織町)

富田林市富田林(大阪府・寺内町/在郷町)
興正寺を中心として築かれた寺内町です。重要文化財の旧杉山家住宅をはじめとする多くの町家が、格子状になったいくつもの通りに沿って建ち並びます。昔の都市が、丸ごとそのまま保存されている感じで、この町が大阪府内にあるというのが貴重ですね。

富田林市富田林(大阪府・寺内町/在郷町)

神戸市北野町山本道(兵庫県・港町)
日本を代表する洋館街の一つです。幕末に神戸港が、開港五港の一つとして海外との貿易港になったことから、外国人の居留地として整備された町です。神戸の街の北側にある高台の斜面に、明治時代などに建てられた洋風建築がいくつも集まります。

神戸市北野町山本道(兵庫県・港町)

篠山市篠山(兵庫県・城下町)
京と山陰地方を結んだ篠山街道が通る交通の要衝で、城下町として発展しました。武家屋敷群と商家群がどちらも現存していて、城下町としての形がそのまま残っています。「河原町妻入商家群」の町並みが特に見事です。

篠山市篠山(兵庫県・城下町)

篠山市福住(兵庫県・宿場町/農村集落)
京都から丹波篠山を目指す篠山街道の宿場町で、本陣も置かれました。妻入りの立派な家屋と、農村集落的な景観の両方が見られるのが特徴的です。かつての国鉄笹山線の終着駅があった町で、隣接していた倉庫にホームが残ります。

篠山市福住(兵庫県・宿場町/農村集落)

豊岡市出石(兵庫県・城下町)
但馬の中心として発展してきた城下町です。山陰本線が豊岡を通ることになったことから中心としての地位を失いましたが、今では出石そばで人気の観光地。町のシンボル、辰鼓櫓の周辺はたくさんの観光客でにぎわいます。

豊岡市出石(兵庫県・城下町)

たつの市龍野(兵庫県・商家町/醸造町)
三方を山に囲まれ、川に面した地形から、播磨の小京都とも呼ばれます。揖保川西岸の旧市街地全域に渡って、城下町らしい整った古い町並みが残ります。うすくち醤油の発祥の地で、町のあちこちに醤油蔵が並ぶ風景が特徴的です。

たつの市龍野(兵庫県・商家町/醸造町)

養父市大杉(兵庫県・山村/養蚕集落)
大屋川沿いの小さな山村集落で、養蚕業が非常に盛んでした。江戸時代から昭和の中ごろにかけて建設された、三階建ての非常に立派な養蚕住宅がいくつも集まっているのが特徴で、他ではまず見られない景観が残ります。一棟貸しで宿泊することもできました。

養父市大杉(兵庫県・山村/養蚕集落)

橿原市今井町(奈良県・寺内町/在郷町)
一向宗門徒による自治が行われていた「寺内町」の一つで、江戸時代には大和の商業の中心として繁栄を謳歌しました。現存する寺内町の町並みとしては最大級のもので、東西600m、南北300mに及ぶ町の7割が江戸時代の建物。通りを歩いていると日常の現実感が失われていくほどです。

橿原市今井町(奈良県・寺内町/在郷町)

宇陀市松山(奈良県・商家町)
南北朝時代以来の歴史を持つ城下町です。日本最古の薬草園である「森野旧薬園」があるなど、製薬業の町としても知られます。町としての機能が凝縮されたような密度の高い感じが魅力的で、町の入り口の門(西口門)が現存するのは貴重です。

宇陀市松山(奈良県・商家町)

五條新町(奈良県・商家町)
伊勢街道、紀州街道などが交わる地点に発展した宿場町。吉野地方の中心として代官所が置かれ、「五條県」の県庁所在地だったことも。新町通り沿いなどに多様な様式の家屋が残ります。

五條新町(奈良県・商家町)

湯浅町湯浅(和歌山県・醸造町)
醤油の発祥の地として知られる町で、古い醤油蔵があちこちに残ります。伏見などの酒どころに似た雰囲気もありますが、紀伊水道の海上交通の要所となる古くからの港町でもあり、全国へ出荷する醤油を船積みした大仙堀の風景などに、その名残が感じられます。

湯浅町湯浅(和歌山県・醸造町)

山陽エリアの重伝建地区

倉敷市倉敷川畔(岡山県・商家町)
倉敷川を利用した水運の拠点として発展した町です。早くから保存に取り組んだことで知られ、美観地区には多くの倉が建ち並び、独特の景観を形作っています。有名な運河沿いだけではなく、本町通りなどにも見事な町並みが残ります。

倉敷市倉敷川畔(岡山県・商家町)

高梁市吹屋(岡山県・鉱山町)
ベンガラの出荷地として、江戸から明治時代にかけて繁栄した集落です。当時ベンガラを産したのは、日本で唯一吹屋の銅山だけだったとか。石州瓦の赤褐色と相まって「赤い町並み」という独特の景観が見られます。

高梁市吹屋(岡山県・鉱山町)

津山市城東(岡山県・商家町)津山市城西(岡山県・寺町/商家町)
岡山県北部の中心都市で、商業が盛んな町です。城下町の東の玄関口が城東地区で、江戸時代に商家町として発展しました。旧出雲街道の通り沿いになまこ壁の町家が連なって残ります。城の西側に当たる城西地区には町家や洋風建築が残り、多くの社寺が集まる寺町もあります。

津山市城東(岡山県・商家町)
津山市城東地区
津山市城西(岡山県・寺町/商家町)
津山市城西地区

矢掛町矢掛宿(岡山県・宿場町)
京都から下関までを結んだ西国街道(山陽道)の宿場町です。本陣(石井家)と脇本陣(高草家)が両方現存する(いずれも国重文)というのが極めて貴重。旧街道の通り沿いには、他にも重厚な蔵造りの建物がいくつも見られます。

矢掛町矢掛宿(岡山県・宿場町)

竹原市竹原地区(広島県・製塩町)
赤穂と並ぶ塩の産地として、北前船によって全国に塩を出荷していた町。上市・下市地区には江戸時代の町並みがかなりの程度残されていて、建ち並ぶ家屋は製塩業による繁栄ぶりを感じさせる立派なものが多いです。

竹原市竹原地区(広島県・製塩町)

呉市豊町御手洗(広島県・港町)
「とびしま海道」で陸続きとなった大崎下島の町です。参勤交代の諸大名の船が立ち寄り、全国有数の花街があったことでも知られます。非常に立派な建物が狭い通りに密集しているのが印象的です。

呉市豊町御手洗(広島県・港町)

福山市鞆町(広島県・港町)
「潮待ち」の港として栄えた港町で、古くは遣唐使が立ち寄り、江戸時代には北前船も寄港しました。周辺の海は「鞆の浦」と呼ばれ、万葉集にもその名がうたわれました。起伏のある狭い土地に、伝統的な商家などの家屋が建ち並ぶ様子が見事です。

福山市鞆町(広島県・港町)

廿日市市宮島町(広島県・門前町)
世界遺産、厳島神社がある島です。桟橋から神社へと向かう表参道の裏手にあたる「町家通り」や神社を越えてさらに進んだ先にある「滝小路」などに古い町並みが見られて、「古都」と呼んでも違和感のない景観だったりします。

廿日市市宮島町(広島県・門前町)

柳井市古市金屋(山口県・商家町)
瀬戸内海の港町として、古くから栄えた場所です。岩国藩が商業の振興を行ったことで木綿などを扱う商人が集まり、その後も明治時代にかけて商都として繁栄しました。江戸から明治に建てられた商家などが多数残る「白壁の町並み」は見事なものです。

※山口県には他にも萩市内に4箇所の重伝建地区がありますが、日本海側ということで、こちらは山陰エリアに含めて紹介します。

山陰エリアの重伝建地区

倉吉市打吹玉川(鳥取県・商家町)
打吹城の城下町として栄えた町で、江戸時代の初期に城が廃城となってからは宿場町、そして交通の要衝としての地の利を生かした商業の町として発展しました。玉川沿いの土蔵群が有名ですね。中国地方独特の赤い瓦屋根の建物が多くみられます。

倉吉市打吹玉川(鳥取県・商家町)

大山町所子(鳥取県・農村集落)
大山の周囲に広がる火山麓扇状地にある村落の一つで、元々は下鴨神社の社領。江戸時代そのままの地割が残り、伯耆地方の伝統的な農村景観が見られます。三軒の門脇家のそばを水路が流れる風景が見事です。

大山町所子(鳥取県・農村集落)

若桜町若桜(鳥取県・商家町)
因幡と播磨の境目に当たる場所に位置する、若桜街道の宿場町です。「カリヤ」(「雁木」「こみせ」などのような木製アーケード)の続く通りと、狭い道沿いに土蔵が建ち並ぶ「蔵通り」の町並みが残ります。

若桜町若桜(鳥取県・商家町)

太田市大森銀山(島根県・鉱山町)
石見銀山の中核に位置する鉱山町で、徳川幕府の代官所に勤める武士の住居や鉱山関係者相手の商家などが集まっていました。石見銀山街道沿いの約3キロに渡り、武家屋敷や町家が建ち並びます。

太田市大森銀山(島根県・鉱山町)

大田市温泉津(島根県・港町/温泉町)
平安時代以来の歴史を持つ温泉の町です。「津」の字の通り、石見銀山の港町としても発展しました。伝統的な家屋群と温泉旅館、外湯の浴場などが隣接するように同じ通りに建ち並ぶという、他ではなかなか見ることのできない独特の風景が見られます。

大田市温泉津(島根県・港町/温泉町)

津和野町津和野(島根県・武家町/商家町)
13世紀に津和野城が築城されて以来の歴史を持つ城下町です。観光地としても人気で、殿町の武家屋敷群の水路を鯉が泳ぐ風景が良く知られています。本町の通り沿いには立派な商家が建ち並び、石州瓦の赤い屋根が続く様子が中国地方の町並みらしい感じです。

津和野町津和野(島根県・武家町/商家町)

松江市美保関(島根県・港町/門前町)※2026年5月に新たに選定を答申
境港の町から境水道を渡った北側に位置する港町。古代から、海上交通の拠点になっていました。入り江を取り囲むように続く、「青石畳通り」沿いに、かつての繁栄の名残を感じさせる立派な建物が建ち並びます。

松江市美保関(島根県・港町/門前町)

萩市堀内地区(山口県・武家町)萩市平安古地区(山口県・武家町)
武家屋敷町の町並みが大規模に残ることで知られる城下町です。海と、二つの川に囲まれた市街地の至る所に史跡が残り、町並み自体が「萩城城下町」として国の史跡に指定されています。史跡となっている区域以外に、上級武士の住んだ堀内と外堀の周囲に当たる平安古の二か所が重伝建地区に選定されていて、いずれも石垣や土塀が続く武家町らしい景観が見られます。

萩市堀内地区(山口県・武家町)
萩市堀内
萩市平安古

萩市浜崎(山口県・港町)
萩市街の北側には商家の建ち並ぶ浜崎という地区があって、こちらも独立して重伝建地区になっています。北前船の寄港地として栄えたこの町、同じ萩でも武家屋敷町とは全く違う景観なのが興味深いです。

萩市浜崎(山口県・港町)

萩市佐々並市(山口県・宿場町)
萩市内の第4の重伝建地区で、萩と防府を結んだ「萩往還」の宿場町です。萩往還沿いに集落が発展し、藩主が休息する「お茶屋」などが置かれました。現在でも幕末頃などの古い家屋が残り、石州瓦の赤い屋根が連なる静かな町並みが見られます。

四国エリアの重伝建地区

美馬市脇町南町(徳島県・商家町)
江戸時代には「阿波藍」として全国に知られた藍の集散地でした。「うだつの町並み」として知られ、通りに並ぶ民家の多くに小さな屋根が乗ったうだつが見られます。映画に登場した脇町劇場も有名ですね。

美馬市脇町南町(徳島県・商家町)

三好市東祖谷落合(徳島県・山村集落)
奥祖谷の急峻な斜面に位置する集落で、江戸時代の民家がいくつも残ることから重伝建地区に選定されています。平地はほとんどなくて、斜面の遙か上方に至るまで、民家が点在していました。外見だけでは真価は分かりにくいですが、独特の様式なのは見て取れますね。

三好市東祖谷落合(徳島県・山村集落)

牟岐町出羽島(徳島県・漁村集落)
牟岐の沖合に浮かぶごく小さな島です。漁港となっている、北部の入江の周辺に古い木造家屋が密集しています。黒潮のおかげで気温が高いそうで、まるで南の島のような雰囲気が感じられます。

牟岐町出羽島(徳島県・漁村集落)

丸亀市塩飽本島町笠島(香川県・港町)
瀬戸内海に浮かぶ小さな離島、塩飽本島の北東側に位置する集落です。塩飽水軍の本拠地として、城下町のような形で発展しました。現存する立派な町並みには、小さな島の集落とは思えないほどの風格が感じられます。

丸亀市塩飽本島町笠島(香川県・港町)

内子町八日市護国(愛媛県・製蝋町)
木蝋の生産により繁栄した町です。黄色がかった漆喰が特徴の、重厚な造りの屋敷が建ち並ぶ八日市・護国地区の様子はまさに圧巻で、見事の一言に尽きます。四国を代表する町並みと言っても良いでしょう。

内子町八日市護国(愛媛県・製蝋町)

西予市宇和町卯之町(愛媛県・在郷町)
宇和島街道沿いに、町並みが残ります。妻入りと平入りの民家が混在して連なる風景が特徴的で、明治15年に建てられた擬洋風建築の開明学校や、多くの政治家・文人が投宿した松屋旅館が町のシンボル的な存在になっています。

西予市宇和町卯之町(愛媛県・在郷町)

室戸市吉良川町(高知県・在郷町)
室戸岬のすぐ近くにある町で、江戸末期から明治・大正を越えて昭和中期にかけて、木炭の製造とその出荷による廻船業で栄えました。白壁の建物が数多く残ることで知られ、土佐地方独特の「水切瓦」が壁面に取り付けられているのが特徴となっています。

室戸市吉良川町(高知県・在郷町)

安芸市土居郭中(高知県・武家町)
この地を治めた五藤氏が整備した家臣の居住地が、今も当時の姿をとどめています。武家屋敷町と農村の中間みたいな感じの、どこかのどかな景観がいいですね。農民に時間を報せた「野良時計」も有名です。

安芸市土居郭中(高知県・武家町)

四国エリアには他にも、宇和島市津島町岩松(愛媛県・在郷町)の重伝建地区があります。

九州・沖縄エリアの重伝建地区

甘木市秋月(福岡県・城下町)
鎌倉時代以来の歴史を持つ城下町で、幕末の「秋月の乱」でも知られます。山あいの豊かな自然の中に古い武家屋敷が点在しているような印象で、野鳥川の岸辺などは何とものどかというか幻想的な雰囲気でした。

甘木市秋月(福岡県・城下町)

うきは市筑後吉井(福岡県・在郷町)
豊後街道の宿場町です。数度の大火の後、耐火性に優れた蔵造りの建物が多数建てられることになり、旧街道沿いに白壁の土蔵群が残ります。木蝋の生産や金融業でも繁栄しました。

うきは市筑後吉井(福岡県・在郷町)

八女市八女福島(福岡県・商家町)
「八女茶」でも知られる、産業・物流の中心地として栄えた町です。もともとは城下町で、城がなくなったのちに町人町が独自の発展を遂げて、今の姿となりました。「往還道」の道沿いに妻入り・蔵造りの町家が並びます。

八女市八女福島(福岡県・商家町)

日田市豆田町(大分県・商家町)
天領として繁栄した町で、九州地域の他の天領を管理する「西国筋郡代」が置かれたことから、幕府の公金を扱う掛屋と言われる商人が多数集まりました。町人町として発展した豆田町には天領当時の町割りが残り、町家や洋館などが建ち並ぶ町並みがみられます。

日田市豆田町(大分県・商家町)

有田町有田内山(佐賀県・製磁町)
日本における磁器生産の発祥の地で、現代でも陶磁器の町として知られます。通りに沿って、重厚な構えの妻入りなどの家屋が建ち並び、失敗作の焼き物を用いた「トンバイ塀」や磁器で造られた鳥居などの風景が見られました。

有田町有田内山(佐賀県・製磁町)

嬉野市塩田津(佐賀県・商家町)
長崎街道の宿場町で、旧塩田川を利用した水運の拠点として、河港の町としても発展しました。旧西岡家、旧杉光家を初めとする、「居蔵造」による回船問屋の屋敷が連なって残り、水運の貨物を計測した検量所跡が現存します。

嬉野市塩田津(佐賀県・商家町)

鹿島市浜庄津町浜金屋町(佐賀県・港町/在郷町)鹿島市浜中町八本木宿(佐賀県・醸造町)
有明海の港町として、また江戸時代には長崎街道(多良海道)の宿場町、そして酒の醸造町として、「浜千軒」と呼ばれるほどに繁栄した町。宿場(中町・八本木宿)と茅葺き屋根の漁村(庄金地区)が隣接して、それぞれに個性を競う感じが独特です。

鹿島市浜庄津町浜金屋町(佐賀県・港町/在郷町)
浜庄津町浜金屋町
鹿島市浜中町八本木宿(佐賀県・醸造町)
浜中町八本木宿

長崎市東山手(長崎県・港町)長崎市南山手(長崎県・港町)
開港五港の一つだった長崎には、開国後に整備された外国人居留地に建てられた洋風建築が数多く残ります。東山手地区の、起伏の多い地形の斜面に洋館が並ぶ様子は大変印象的です。南山手地区には「グラバー園」があり、重要文化財のグラバー邸をはじめとした貴重な建築物が保存されています。

長崎市東山手(長崎県・港町)
東山手
長崎市南山手(長崎県・港町)
南山手(グラバー邸)

雲仙市神代小路(長崎県・武家町)
旧鍋島藩の陣屋を中心に形成された集落で、現在も国重要文化財の鍋島邸が現存しています。本小路、上小路などいくつもの通りによって整然と区画されており、手入れの行き届いた生け垣が続く風景は、まるで庭園の中を歩いているかのようです。

雲仙市神代小路(長崎県・武家町)

平戸市大島村神浦(長崎県・港町)
平戸島の北方にある的山大島は、室町以前からの大陸航路の要衝で、捕鯨の拠点としても繁栄しました。その中心集落の一つである神浦に古くからの港町の町並みが残ります。港がある入り江の水は、離島ならではの澄んだ美しさでした。

平戸市大島村神浦(長崎県・港町)

日南市飫肥(宮崎県・武家町)
飫肥は、十二世紀以来の歴史を持つ古い城下町です。「飫肥石」と呼ばれる切石で組まれた重厚な石垣が町並みの特徴。城下町当時の町割りがそのまま残り、街路幅も当時のまま。そのために、武家町当時の石垣や門などが残されました。

日南市飫肥(宮崎県・武家町)

出水市出水麓(鹿児島県・武家町)
薩摩藩が整備した武家屋敷町、麓集落の一つです。鹿児島県内にいくつも残る麓の町並みの中でも、出水麓は特に大規模となっていて、碁盤の目状に整備された通り沿いの各所に武家屋敷跡が残る様子は、集落と言うより一つの都市のような趣もあります。

出水市出水麓

薩摩川内市入来麓(鹿児島県・武家町)
鹿児島県内を中心に多数残る麓集落の一つです。麓とは武士を集住させて地域の拠点とした集落で、縦横に格子状に延びる通りに沿って、石垣や生け垣などが続いています。美しく整えられたその景観は、まるで庭園のようです。

薩摩川内市入来麓(鹿児島県・武家町)

南九州市知覧(鹿児島県・武家町)
薩摩藩が防御拠点として整備した武家屋敷町、「麓」集落の町並みが特に見事に残り、薩摩の小京都とも呼ばれます。「武家屋敷通り」に沿って門や生け垣と石垣が続き、それらの屋敷ごと築かれた庭園のうち7か所が国の名勝となっています。

南九州市知覧(鹿児島県・武家町)

竹富町竹富島(沖縄県・島の農村集落)
島の中心部にある、西屋敷・東屋敷と中筋の三つの伝統的集落が、ほぼ完全な形で姿をとどめる島です。琉球王府の総督府が置かれ、八重山諸島の中心地でした。沖縄の離島らしい風景が素晴らしいです。

竹富町竹富島(沖縄県・島の農村集落)

渡名喜村渡名喜(沖縄県・島の農村集落)
那覇港からフェリーで2時間程度の離島。通りから一段下がったところに屋敷を設ける、沖縄の伝統的な集落景観が、非常に良い状態で残されています。古民家に一棟貸しで泊まることができましたが、ライトアップされた夜の通りが幻想的でした。

渡名喜村渡名喜

九州エリアにはこれ以外に、八女市黒木(福岡県・在郷町)、うきは市新川田篭(福岡県・農村集落)、杵築市北台南台(大分県・武家町)、日向市美々津(宮崎県・港町)、椎葉村十根川(宮崎県・山村集落)、南さつま市加世田麓(鹿児島県・武家町)の重伝建地区があります。

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