郡上八幡の古い町並みを歩いてみよう ~水路と川が美しい城下町~(岐阜県)

城下町・武家町
新町通りの風景
城下町・武家町重伝建地区小京都東海エリア

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 長良川などに面した小さな盆地の中にある城下町で、奥美濃の小京都としても知られるのが郡上八幡です。
 この町では、「職人町」「柳町」などの古い町並みが各所に残り、歴史ある町らしい風格のある景色を味わうことができます。

 また、名水百選にも選ばれている「宗祇水」やいくつもの水路、さらに吉田川の流れなど、町なかの至るところで澄んだ水と触れ合うことができるのも魅力です。

 この記事は郡上八幡の町並みの見どころや、「長良川鉄道」などによるアクセス方法などについて解説しています。

 また、実際に郡上八幡を訪れた際の訪問記も掲載しています。こちらも、町を歩く参考になると思いますので、ぜひ読んでみてください。

町なかの至る所を澄みきった水が流れる、山あいの城下町

長良川沿いの小さな盆地に城下町の町並みが残る

郡上八幡・職人町(重伝建地区)の町並み
職人町(重伝建地区)の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 岐阜県中央部の郡上地方に位置する郡上八幡(岐阜県郡上市)は、長良川とその支流の吉田川などに面した小さな盆地の中にある城下町で、奥美濃の小京都としても知られます。

 その歴史は、戦国時代の末期にこの地を支配した遠藤盛数が郡上八幡城を築城したことに始まります。その後、江戸時代に入って遠藤常友が城下町を整備し、それが現在の郡上八幡の町の基礎となりました。

 古い町並みが最も残っているのは、吉田川の北側に当たる本町通沿いの「職人町」や「柳町」の辺りで、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)にも選定されています。
 いわゆる「袖うだつ」を持つ家屋がずらりと並ぶ様が美しい景観を作り出しています。

 ただ、この周辺に限らず、町のメインストリートでもある新町通沿いや、その南側の立町通や日吉神社の参道など、各所で古い町並みを見ることができます。
 戦国時代以来、郡上地方の中心として発展してきた歴史を持つ町だけに、その風景には風格が感じられます。

 町の北東側には郡上八幡城跡が残り、県の史跡に指定されています。
 天守閣は再建されたものですが、昭和8年に木造で作られたという、もはや文化財級といっても良い貴重なものです。
 魚の形に見えるとも言われる郡上八幡の市街地を一望できる眺望も素晴らしいので、この町を訪れた際には必ず足を運ぶようにしましょう。
(坂道を上るのがちょっとだけ大変です)

郡上八幡・日吉神社参道の町並み
日吉神社参道の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

町なかを流れる水の美しさでも知られる町

郡上八幡・「宗祇水」の風景
「宗祇水」の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 名水百選の一番手に選ばれている湧き水の「宗祇水」を始めとして、町の至る所にきれいな水が流れているのもこの町の特徴。

 たくさんの鯉が泳ぐ水路沿いを散策できる「いがわ小径」や「やなか水のこみち」などの親水スポットがあり、また町なかを流れる吉田川や小駄良川の川べりに降りて、その美しい流れを眺めることもできます。

 旧八幡町役場庁舎(「郡上八幡旧庁舎記念館」として公開。観光案内所や食堂があります)近くの新橋では、夏になるとその下の吉田川へ飛び込む子供たちの姿が見られて、これも一つの風物詩となっています。

 この町の水辺の風景はどこも美しくて、そこに佇んでいるだけでも心癒される感じがします。
 どの季節も良いのですが、やはり夏場に訪れて涼むのが最高に爽やかで心地よかったです。

旧八幡町役場庁舎と吉田川にかかる新橋(郡上八幡)
旧八幡町役場庁舎と吉田川にかかる新橋(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

何と言っても「郡上おどり」が有名

 郡上八幡の名前がもっとも知られているのは、やはり「郡上おどり」によってだろうと思います。

 7月中旬から9月下旬にかけて町なかの各所で開催(30夜以上)されるお祭りで、8月の13日から16日の4日間(盂蘭盆会)はクライマックスの「徹夜踊り」が開催されます。

「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる」という郡上節(「かわさき」)の歌詞も有名で、この町に出かけた帰りには、いつもこの歌詞を思い出します。

郡上八幡・吉田川の風景
吉田川の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

アクセス方法

新町通りの風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

長良川鉄道を利用する場合

 この町の玄関口となっているのが、長良川鉄道の郡上八幡駅です。
 長良川鉄道は、JR高山本線の美濃太田駅を起点とする第三セクター鉄道で、かつては国鉄越美南線と呼ばれていました。

 美濃太田駅から郡上八幡駅までは約1時間20分ほどで、運賃は1,380円。
その美濃太田駅へは名古屋駅から特急ひだを利用すれば40分程度、各駅停車なら1時間20分程度です。

「北濃行」「美濃白鳥行」も含め、郡上八幡まで行くことができる列車は1~2時間に一本程度なので、訪れる際には事前に列車の時間を確認しておく必要があります。

 郡上八幡の町なかからは駅は少しだけ離れているのですが、歩いても15分程度です。
 旧街道でもある町のメインストリート、新町通りを歩いているうちにすぐ到着するという感じです。
 

時刻表 | 【公式】長良川鉄道株式会社(ながてつ)
時刻表 | 長良川沿線を走る長良川鉄道(ながてつ)公式サイトです。当鉄道の時刻表、運賃、路線図などの情報や観光列車「ながら」楽しい企画列車などの情報をご覧いただけます。

マイカー・レンタカー利用の場合

東海北陸道の郡上八幡インターが町のすぐそば

 町のすぐそばを東海北陸道が通っていて、郡上八幡インターが市街地に隣接した場所にあるため、マイカーで訪れるにも便利です。

 名神高速道路の一宮ジャンクションから東海北陸道に入り、約60キロ45分ほどで郡上八幡インターに到着します。高速料金は通常で2,100円(2023年1月現在)
 ただし、東海北陸道は距離が長い割に片側1車線の区間がまだまだ多いため、場合によっては渋滞することもあるのには注意が必要かもしれません。運転も、どうか慎重に。

市内には観光向けの有料駐車場が何か所もあります

 郡上八幡市街には、数か所の観光向け有料駐車場が整備されています。
 もっとも町の中心部に近いのが、郡上八幡旧庁舎記念館駐車場で、郡上八幡インターからもすぐです。
 あと、その北側で職人町に近い「郡上八幡城下町プラザ」や「郡上八幡博覧館」にも駐車場があり、駐車台数としては「郡上八幡博覧館」のものが最大60台と最も大きいようです。 

郡上八幡観光駐車場案内 郡上八幡日和

川と水路の城下町 ~何度も訪れた郡上八幡の町~

何と言っても魅力的な長良川鉄道

 郡上八幡は大好きな町で、もう何度も訪れています。
 そもそも、古い町並み歩きを始めた、そのきっかけになった町でもあります。

 初めてここを訪れた時は、愛知県の犬山に泊った明くる日に、第三セクター鉄道の長良川鉄道に乗ってやってきました。
 美濃太田駅でJR高山本線から乗り換えて、郡上八幡駅までは一時間二十分ほど。

長良川鉄道

 その名の通り長良川に沿って走るこのローカル鉄道路線は車窓の風景も素晴らしく、乗ること自体が観光とも言えるでしょう。個人的には郡上八幡と長良川鉄道はセットと言うイメージです。
 ぜひ一度は、この路線を利用して訪れてみて欲しいと思います。

 車の場合は、東海北陸道の郡上八幡インターを利用することになるわけですが、こちらも市街地のすぐ近くにあって便利です。
 東海北陸道は片側一車線の区間が多く、渋滞することもしばしばですが、名神高速道路とも直結しているので、ルート的には利便性の高い道ではあります。
 白川郷などの、さらに岐阜県の北部へ向かう時にも使う道で、その行き帰りに郡上八幡に立ち寄ったことも何度かあるくらいに便利な場所です。

郡上八幡の街歩きコース

郡上八幡・新町通の風景(
新町通の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 郡上八幡の駅は町の外れで、宗祇水などのある中心地までは少しだけ歩かなければなりませんが、旧街道(新町通)のレトロな商店街を歩くのも風情があって、なかなか悪くありません。
 古びた駅そのものも魅力的で、近年になって駅舎の屋根や窓が補修されたり、カフェが併設されて内部がリニューアルされたりはしましたが、外観やホームなどは大きく変わりがありません。

改装前の郡上八幡駅舎

 個人的なおすすめコースだと、その郡上八幡駅から新町通の商店街をずっと東へと歩き、宮ケ瀬橋を吉田川の北側に渡ってまずは宗祇水を訪れます。
 時間帯によっては、その近くにある平甚本店でそばを食べて昼食。それから職人町や柳町の古い町並みをぐるっと歩きます。

 続いて郡上八幡城に登ったあと、新橋から再び吉田川を眺めつつ南に戻り、旧八幡町役場庁舎の記念館を見学して、鯉がたくさん泳ぐ水路沿いの「いがわ小径」へ。
 あとは、新町通りを戻って「やなか水のこみち」の周辺を観光といったところでしょうか。

 一日でこれだけ見て回ると、さすがに結構な距離を歩くことになるので、やはり市内で宿泊してのんびり町の雰囲気を味わうのがおすすめかもしれませんね。

郡上八幡・「いがわ小径」の風景(
「いがわ小径」の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

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