丹波篠山の古い町並みを歩いてみよう ~城下町の武家屋敷と商家~(兵庫県)

城下町・武家町
城下町・武家町重伝建地区小京都関西エリア

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 丹波篠山は、丹波高地の盆地の中にある町です。
 京と山陰地方を結んだ篠山街道が通り、交通の要衝に当たる場所ということから江戸時代になって城が築かれ、城下町として発展しました。

 篠山城をはさんで東西に、武家屋敷群と商家群がどちらも現存していて、城下町としての形がそのまま残るという貴重な町です。

 この記事ではそんな丹波篠山の町の見所や、実際にマイカーなどで古い町並みを訪れるためのアクセス方法について紹介しています。
 また、丹波篠山周辺で宿泊できるホテル・旅館も掲載しました。
 実際に訪れた際の訪問記も掲載していますので、こちらも参考にしてみてください。

城を中心とした町割りが今も残る、篠山盆地の城下町

山陰道の交通の要衝だった盆地に城下町が作られた

丹波篠山・河原町の町並み
丹波篠山・河原町の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 兵庫県の篠山(丹波篠山市)は、京の都と山陰地方を結んだ山陰道のひとつである篠山街道沿いの町で、「小京都」としても知られます。

 多紀連山などに囲まれた丹波高地の盆地という、篠山街道の要衝に当たる場所であったことから、江戸時代に入って松平康重により篠山城が築城されました。
 その後は城下町として発展し、現在でも丹波エリア(京都・兵庫の二府県にまたがる)では有数の規模の町となっています。

 城の西側に武家町、東側の街道沿いに商人町という形で城下町の町割りが行われましたが、現在でも御徒士町通りの武家屋敷町と河原町の妻入商家群という形でその両方が当時の姿を残していて、城を囲むような市街地の基本的な形は明治以前と大きな変わりがありません。

 この二か所の古い町並みは、どちらも国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されています。 

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妻入の町家がずらりと建ち並ぶ、河原町妻入商家群

丹波篠山・河原町の風景
丹波篠山・河原町の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 篠山の町で最も大規模に古い町並みが残るのが、城の東側にある「河原町妻入商家群」です。
 かつての篠山街道(京街道)である河原町通りに沿って、約600メートルの距離に渡って、古い商家が建ち並びます。
 城下町の設計時に商人町として町割りがされた地区で、その後も長らく篠山の商業の中心地として繁栄しました。

 商家の多くが、間口が狭く奥行きが長い造りとなっている妻入の建物なのが特徴で、家の屋根が三角形に見える側が通りに面しているような形になっています。

 妻入りの家屋は丹波エリアの街道沿いではよく見られるものですが、これだけの数が連続して残っているというのは、周辺地域でもほとんど例がありません。
 ギザギザと連続する屋根がリズミカルな印象を与える、そんな感じの景観が見られます。

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丹波篠山・河原町の風景
丹波篠山・河原町の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

長屋門などが残る武家町、御徒士町通り

丹波篠山・御徒士町通りの武家屋敷群
御徒士町通りの武家屋敷群(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 城の西側、外堀と並行に南北にのびる御徒士町通りには武家屋敷群が残り、広い通りに沿って長く続く土塀や門、それに茅葺き屋根の屋敷が見られます。

 城下町の町割りにおいて徒士(下級武士)が住む区域とされた場所で、天保年間に建てられたという十数戸の武家屋敷が現存しています。

 全国に城下町は数多くありますが、このように武家と商家の町並みがどちらもそのままの姿で残っている例はそれほど多くはありません。
 丹波篠山は、非常に貴重な町だと言ってよいでしょう。 

篠山街道の宿場町、福住にも立ち寄ってみよう

丹波篠山市・福住の宿場町
丹波篠山市・福住の宿場町(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 篠山の城下町から東へ10キロほど離れた篠山街道沿いの福住には、かつての宿場町の町並みが残ります。

 通りに沿って妻入の家屋が並ぶ点などは河原町などとも似ていますが、建物の規模はこちらのほうが大きく、また集落の東側では農村集落的な景観も見られて、都市と農村を一緒にしたような独特の町並みとなっています。

 その貴重さから、こちらも重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
 車であれば20分程度の距離なので、こちらにも足を伸ばして立ち寄ることをおすすめします。 

 ちなみに、この福住は廃止された国鉄笹山線(福知山線の篠山口駅から分岐していた)の終点でもあり、福住駅跡の広大な敷地には駅名の石碑と、倉庫に併設されたプラットホームが残っています。
 町並みのすぐそばなので、こちらもぜひ訪れてみてください。

丹波篠山市・福住の宿場町
丹波篠山市・福住の宿場町(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)
福住駅跡
福住駅跡

アクセス方法

マイカー・レンタカー利用の場合

舞鶴若狭自動車道の丹南篠山口インターが近い

 吉川ジャンクションで中国道から分岐して舞鶴方面へ向かう舞鶴若狭道の丹南篠山口インターチェンジが、城下町の市街地から5キロほどのところにあります。
 車で5分ほどの距離なので、大変便利です。

 京都方面からの場合は亀岡から国道372号天引峠越えというルートもあります。
 かつては峠越えの狭いヘアピンカーブが大変でしたが、現在はトンネルが開通していて楽に通過できるようになりました。 

お城の周辺に多数の駐車場がある(2023年1月現在)

 お城の北側にある大手前北・南駐車場や、河原町に近い南新町駐車場、河原町駐車場などの市営駐車場は、1時間以内駐車無料(2時間未満で200円、最大1日400円)となっています。
 
 また、篠山城のお堀の中にある「三の丸西駐車場」は駐車一回当たり平日200円、土休日400円で駐車台数も350台と非常に多く、使いやすい駐車場となっています。

 今まで篠山に来て駐車に困った経験はないので、マイカーで訪れるのに向いている町だと思います。


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鉄道・バスを利用する場合

 福住宿場町の解説でも触れましたが、かつて篠山には国鉄笹山線という路線が通っていて、さらにその前には私鉄の篠山鉄道という路線もあったのですが、廃止された今は福知山線の篠山口駅が最寄り駅となっています。

 福知山線自体は新大阪駅から直通する特急「こうのとり」も走っていて、「丹波路快速」でも大阪から1時間少しと、かなり便利な路線です。
 特急と快速をすべて合わせれば、1時間に3本以上は列車があります。

 駅から城下町までは5キロ以上もあるので徒歩では厳しいですが、バスが1時間に1~2本程度(所要時間約20分)あるのと、篠山口駅にはレンタサイクルもあるので、そちらを利用してみても良いかもしれませんね。

https://www.city.tambasasayama.lg.jp/material/files/group/44/R3marunavi8-12.pdf
(丹波篠山市役所サイトの、神姫グリーンバス案内)

https://tourism.sasayama.jp/rental-cycle/
(丹波篠山市公式観光サイトの、レンタサイクル案内) 
 


丹波篠山周辺で泊まってみたいホテル&旅館・5選

 丹波篠山の周辺で泊まるとしたら、ということで宿泊した人の評価が高かったホテルや旅館を楽天トラベルで調べて、5か所を選んでみました(2023年1月現在、リンク先は楽天トラベル[PR]
 こういうのを調べていると、今すぐ旅行に出かけたくなって困ります。

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城下町の特別な町並み ~丹波篠山の町を歩いてみました~

城下町を歩くならまずお城へ

 篠山城跡の東に商家群、西に武家屋敷群の古い町並みが残る丹波篠山の町。
 当然、両方を巡ることになるわけですが、まずは真ん中にある城跡を見に行きたいところ。

 というわけで、乗ってきた車はお城のすぐ北側、現在の町の中心部にも近い市営の大手前駐車場に停めることにします。
 有料ではありますが、2時間以上停めても一日最大400円までということで、安心してゆっくりと町歩きができます。

 ちょうど向かい側には、旧町役場の洋風建築「大正ロマン館」があって、中のレストランでは丹波黒豆を使った定食なんかを食べられます。
 観光客でにぎわう、二階町の商店街もここからはすぐ北側にありますが、城跡を目指すので南へと歩きます。

 天守閣こそ残っていませんが、立派な石垣と再建された立派な「大書院」を見学することができる篠山城址。
 今から城下町を歩くのだ、という気分が盛り上がります。

丹波篠山・大正ロマン館
大正ロマン館(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)
篠山城跡・左の建物が大書院

西の武家屋敷町、西町通りから東の商家群へ

 外堀を越えて、南馬出跡からお城の西側エリアへ。堀に面して建つ小林家長屋門を見てから、外堀と並行する御徒士町通りの武家屋敷群を北上します。
 まっすぐ続く塀と、茅葺きなどの屋敷や門が残る端正な景観はやはり貴重です。

 さらに少しだけ北に歩き、西町通りへ。取り上げられることが割と少ない区域なのですが、この一帯にも妻入の町家などがいくつも現存しています。「昭和レトロ通り」とも呼ばれたことがあるようです。

丹波篠山・西町通り(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 さて、いよいよ今度は東側のエリア、河原町妻入商家群へ。
 西町からは、城をはさんだ対角線上のほぼ正反対の場所ということになります。
 二階町のメインストリートをひたすら東へ向かって歩き、今度は南へとずっと進んで、ようやく河原町にたどり着きます。
 通りの入り口に立つだけで、妻入の形式で建てられた商家の屋根が、彼方まで並んでいることがわかります。

 歩き始めても、多くの建物が伝統的な木造で、普通の町なかとは全く違います。自分が特別な場所に足を踏み入れたのだ、という感覚が強く感じられます。
 ここから六百メートルに渡って、この古い町並みが続くわけなのでした。

丹波篠山・河原町の風景
丹波篠山・河原町の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

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