大内宿の古い町並みを歩いてみよう ~茅葺き屋根が連なる宿場町~(福島県) 

宿場町
宿場町重伝建地区北日本エリア

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 大内宿は、会津若松と日光を結んだ会津西街道の宿場町です。
 阿賀川沿いの「会津三方道路」が整備されたことによってメインルートから外れ、昔ながらの町並みが残ることになりました。
 広い通りに沿って、かや葺きで寄棟造りの民家が並ぶという独特の風景は他の宿場町とは大きく違っていて、一見の価値があります。

 観光地としても人気で、古い建物をそのまま使った土産物屋さんやお蕎麦屋さんも何軒もあって、ねぎを箸の代わりに使って食べる名物の「ねぎそば」などが食べられます。

 この記事では、大内宿の町並みの見どころや、実際に訪れるための交通ルートや駐車場の場所などについて紹介しています。

 また、実際に訪れた際の訪問記も掲載していますので、こちらも参考にしてみてください。

茅葺き屋根がずらりと並ぶ、貴重な景観の宿場町

東北地方でも有数の、貴重な風景が見られる

大内宿の町並み
大内宿の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 大内宿(福島県南会津郡下郷町)は、福島の会津若松と、栃木の日光・今市を結んだ会津西街道(南山通り)の宿場町です。
 会津西街道は、会津藩主の保科氏(後の会津松平家)によって整備され、江戸幕府有数の名門であった会津藩から江戸への参勤交代に用いられました。

 しかし明治時代に入って、福島県令の三島通庸によって東側の阿賀川沿いに「会津三方道路」(国道121号線の前身)が整備されると、会津西街道は交通の主要ルートの座から降りることになってしまい、大内宿の繁栄もそこで終わることになりました。
 その結果、逆にこのように見事な景観が残されることになったというわけですね。

 宿場町としては珍しく、通りなどが広々とした感じなのは、この町を整備した会津藩が敷地に余裕を持たせて計画したためとのことです。
 早朝や夕方などの人が少ない時間などにゆっくり歩くと、とてもすがすがしくて気持ちが良いです。

茅葺き屋根がずらりと並ぶ眺めは圧倒的

大内宿の風景
大内宿の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 写真でも分かる通り、ほぼ一本の通りの両側に建物が連なるのがいかにも宿場町と言った感じです。
 ただ、都市的な町家が連続するのではなく、それぞれ独立したかや葺きで寄棟造りの民家が並ぶという点が他の宿場町とは大きく違います。
 その貴重さから、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)にも選定されています。

 あまりに特徴的で迫力のあるその景観は、実際に歩いていても圧倒される感じがします。
 全国的に見ても、このような眺めは他にほとんど例がありません。保存に成功したのは、素晴らしいことですね。

 写真の風景は、通りの北側にある「見晴台」の周辺から眺めることができます。
 大内宿を訪れた際には、必ず立ち寄っておきましょう。 

観光地としても大人気、古い建物をそのまま利用したお蕎麦屋さんなども

ねぎそばが食べられる石原屋(大内宿)
ねぎそばが食べられる石原屋(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 これほどに見事な風景が見られるとなると、やはり観光地としてはかなりの人気で、休日の日中などはこの広い通りが観光客でいっぱいになることもあります。

 古い建物をそのまま使った土産物屋さんや、お蕎麦屋さんも何軒もあって、特に人気なのがねぎを箸の代わりに使って食べる「ねぎそば」です。
 かなりインパクトのある見た目で、食べるのもちょっと大変でしたが、おいしかったです。 

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大内宿で唯一「蔵」に泊まれる民宿
蔵の民宿 本家扇屋<大内宿>

ねぎそば
お土産屋さん

大内宿へのアクセス方法

大内宿の風景
大内宿の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

マイカー利用の場合

東北自動車道白川インターチェンジから国道289号経由

 現在では主要な交通路から離れてしまっている大内宿なので、近くに高速道路などは通っていません。
 一番近いのは、東北自動車道の白川インターチェンジで、ここから国道289号を経由して1時間程度で大内宿に到着します。
 289という三桁国道の名前を見ると、不便そうな道にも思えてしまいますが、実際にはずっと2車線の続く快走路で、きつい峠越えなどもありません。
 マイカーで行くなら、それほど不便な場所ではないと言ってよさそうです。

宿場町の南側、県道131号沿いに大きな駐車場が整備されている

 人気の観光地のため、駐車場もちゃんと整備されていて、町の南側には広大な駐車場があります。
 県道131号にも面しているので、便利な場所と言って良いでしょう。

 駐車場から町並みまでは約300メートルほど、徒歩5分程度です。

鉄道・バスで行く場合

最寄り駅の湯野上温泉から、レトロバス「猿游号」を利用できる

 最寄りの駅は、会津鉄道の湯野上温泉駅です。
 JRの会津若松駅で乗り換えて、30分ちょっとで到着します。

 茅葺き屋根で、駅舎自体が観光地になるような駅ですが、ここから大内宿までは5キロ以上もあるため、歩いて訪れるのはちょっと厳しいでしょう。

 そこで、湯野上温泉駅から大内宿までの間を走っている「猿游号(さるゆうごう)」というレトロバスを利用するのがおすすめです。
 2022年11月現在、一日6便走っています。
 会津鉄道との共通割引切符も発行されており、運賃も割引になるため、こちらの利用を考えるのもよさそうですね。

http://www.aizutetsudo.jp/ticket/%E7%8C%BF%E9%81%8A%E5%8F%B7/
(会津鉄道の案内サイト)

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湯野上温泉駅

陽が落ちた後の風景も幻想的でした ~大内宿を実際に訪れてみました~

 大内宿へは、福島県の会津方面へと旅行した際に訪れました。

 福島空港でレンタカーを借りて、郡山市内を経由してまずは猪苗代湖へ。
 訪れたのは三月でしたが、まだまだ冬のような寒さで、磐梯山も雪で覆われていました。冬を越すためにシベリアから飛来するという白鳥もたくさんいて、美しい風景を楽しめました。

猪苗代湖の白鳥と磐梯山
猪苗代湖の白鳥と磐梯山

 そこからは喜多方に出て、蔵造りの建ち並ぶ町並みを観光しました。
 もちろん、お昼ご飯は喜多方ラーメン。縮れた麺と煮干しを使ったスープが特徴のラーメンは評判通りのおいしさで、満足しました。

 二重屋根の蔵が残る喜多方市郊外の杉山集落にも立ち寄ってから、今度は南下して、会津若松市内を通過して(こちらは翌日に観光)いよいよ大内宿へと向かいました。

 宿泊地は、大内宿から近い湯野上温泉。5キロ程の距離なので、車ならすぐに行けます。

 まずは夕暮れ時、日没の直後に町並みを歩きに行ってみました。観光客も誰もいなくて、灯りが点り始めた宿場町の風景は大変に幻想的、強く印象に残りました。

日没後の大内宿
日没後の大内宿

 続いて翌朝、今後は日の出の前に訪れます。まだあちこちに雪も残っている状況で、早朝のこの時間はかなり寒かったのですが、おかげで朝陽に照らされた素晴らしい風景を見ることができました。
 今回掲載した写真のほとんどは、その際に撮影したものですが、まだ観光客の姿もありませんね。

 さらに近くの景勝地「塔のへつり」を見に行き、その帰りにもう一度立ち寄りました。
 この時はもう、観光客で大変な賑わいでした。それもまた、楽し気で悪くありません。
 日没後や早朝にはやっていなかったお店もみんな開いていて、「ねぎそば」を食べることもできました。

 というわけで、可能ならば近くに一泊して、何度かシチュエーションを変えて訪れるというのが、大内宿のおすすめの楽しみ方だと思います。
 古い町並みの中にも民宿があるようなので、機会があれば泊まってみたいものですね。

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