竹富島の古い町並みを歩いてみよう ~水牛が通りを歩く南の島~(沖縄県)

農村集落
農村集落重伝建地区九州・沖縄エリア

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 沖縄県の八重山諸島に属する竹富島は、石垣島のすぐそばにある小さな離島です
 古くから交易の拠点で、八重山諸島の中心地だったこともあります。

 島の中心部にある集落では、サンゴの石垣とフクギの生垣が続く通りに沿って、漆喰で赤瓦を固めた屋根の民家が建ち並ぶ、沖縄の伝統的な景観が今も見られます。

 この記事では、そんな竹富島の町並みの見どころや、実際に高速船に乗って訪れるためのアクセス方法について紹介しています。
 また、赤瓦の古民家を利用した民宿などについても5か所掲載しました。
 実際に訪れた際の訪問記も掲載していますので、こちらも参考にしてみてください。

伝統的な沖縄の集落が残る、自然豊かな島

理想的な「南の島」の風景が見られる

竹富島・西屋敷の風景
竹富島・西屋敷の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 沖縄県の八重山諸島に属する竹富島(沖縄県竹富町)は、面積5㎢ちょっとしかない小さな離島で、石垣島から6キロほどの距離にあります。
 地図で見ると、石垣島と西表島に挟まれている感じの場所で、外洋にある波照間島などに比べると、荒天による波の影響を受けることが比較的少なくなっています。

 台湾国境に近いことから、古くから交易の拠点でした。16世紀初めには琉球王府の総督府(蔵元)が置かれ、八重山諸島の中心地だったこともあります。

 島のちょうど中心部に、隣接する西屋敷・東屋敷と中筋の三つの集落があって、その周辺はほぼ緑に覆われています(島の南東部に星野リゾートがありますが、集落やビーチからは全く見えません)。
 これは、条例によって非常に厳しく開発を制限しているためですが、それ以前から地元住民によって「竹富島憲章」(1986年)が作られていたりと、昔からの島の姿をそのまま将来に残そうという努力が続けられていたからでもあります。

 その成果が、今も残る沖縄の伝統的な集落の風景で、三つの集落全てが国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されています。

竹富島・東屋敷の風景
竹富島・東屋敷の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

集落内のどこを歩いても、昔ながらの風景が続く

竹富島・東屋敷の風景
竹富島・東屋敷の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 サンゴの白砂が敷き詰められた道に沿って琉球石灰岩(サンゴ)の石垣とフクギの生垣が続き、その向こうには漆喰で赤瓦を固めた屋根が見える、という沖縄の伝統的な集落景観が見事に残ります。
 水牛が牽く水牛車はあくまで観光用のものですが、この風景には実にぴったりで絵になります。

 集落内は、縦横の道が交差する碁盤の目に近い形となっていますが、どこを歩いてもこの素晴らしい景観が続いているので、自分がどのあたりにいるのかが段々分からなくなってくるほどです。
(余談ながら、本記事に使用した写真の撮影地点を特定するのも、目印がないために相当に大変でした)

竹富島・西屋敷の風景
竹富島・西屋敷の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

伝統的な集落を一望できる、展望台がある

竹富島「なごみの塔」からの眺め
「なごみの塔」からの眺め(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 東屋敷の集落にある登録有形文化財の「なごみの塔」は、島でも最も知られたスポットの一つで、伝統的な集落の姿を一望することができます。
 高さ6メートルの丘の上に建つ、約5メートルの塔ですが、特に高層とまでは言えないその高さからでもこの見晴らしということで、いかに近代的なビルなどが少ないかが分かります。

 この塔、階段の角度が60度もある上に非常に狭く、展望台部分も2人が立つのがやっとです。高さ5メートル程度とはいえ、上るのは相当に怖いということで有名です(足がすくみました)

 なお、老朽化によって補修が行われた(手すりなどがついた)ものの、2023年現在ではこの塔への上り下りは中止されています。
 代わりに、隣接するお土産屋さんの屋上が料金100円で展望台として利用できるようになっているので、こちらからも同様に集落を一望することができます。

なごみの塔

アクセス方法

竹富島・東屋敷の風景
竹富島・東屋敷の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

隣の石垣島から高速船が出ている

まずは石垣島へ

 竹富島へは、隣接する石垣島から「八重山観光フェリー」と「安栄観光」の運航する高速船が出ていて、所要時間は20分ほどです。
 本数も1時間に1~2本となかなかの頻度です。

 というわけで、竹富島に行くには、まずは石垣島へ向かうということになります。
 石垣空港へは、東京(羽田・成田)・大阪(関空)・名古屋(セントレア)・福岡の各地から直行便があり、さらに那覇空港からの便も1日20本近くもあるので、那覇乗り継ぎを含めば非常に航空便の選択肢が広くなります。

 直行便の場合、羽田から約3時間半、関西空港・セントレアからで約3時間です。
 乗り継ぎの場合は、もう少し長めに見積もっておく必要があるでしょう。

https://www.ishigaki-airport.co.jp/fly/timetable/index.html
(石垣空港公式サイトの、路線別時刻表)

石垣港離島ターミナルへは石垣空港からバスで

 竹富島への航路がある石垣港離島ターミナルは、石垣島の中心である石垣市の市街地近くにあります。
 石垣空港からは、路線バスで約30分ほどとなっています。石垣島を観光することも考えると、空港でレンタカーを借りてしまうのも良いでしょう。

 離島ターミナルの周辺にはホテルも数多くあるので、一泊して朝から竹富島に渡るというのもおすすめです。
 また、西表島や波照間島への航路も出ているので、港の近くに泊まって毎日違う島に渡るような旅行の仕方もありですね。

https://www.ishigaki-airport.co.jp/access/bus-taxi/index.html
(石垣空港公式サイトの、バス路線案内ページ)

竹富島の港から集落までは徒歩でもOKだが、レンタサイクルがおすすめ

 石垣港からの船が着く、竹富島フェリーターミナルから集落までは約1キロほどで、徒歩でも15分です。
 ただ、交通機関のない島のあちこちをめぐることを考えると、レンタサイクルを借りるのがお勧めです。
 港にはレンタサイクルの業者さんがたくさん来ていて、集落の中心にある自転車の置き場まで車で送迎してくれるので、楽に借りることができます。

12月の暖かい風に吹かれて ~実際に島に渡ってみました~

12月の石垣島は春のようだった

 那覇空港からANAの飛行機に乗って、石垣空港までは一時間ほどです。着陸前には、島を取り囲むサンゴ礁を、翼の向こうに見ることもできました。
 今回は、離島に行く拠点として、石垣島に泊まることになります。

着陸前の飛行機から見える、石垣島のサンゴ礁
着陸前の飛行機から見える、石垣島のサンゴ礁

 乗降口から出てボーディングブリッジを歩き始めると、空港の職員さんたちがずらりと並んで手を振ってくれています。
 石垣空港は歓迎ムード満点、と気を良くしていると、背後で聞いたことのある声が。
 振り返ると、NHKのロケで石垣に来ていたらしい俳優の火野正平さんが、すぐ後ろを歩いておられました。

 空港でレンタカーを借りて国道390号を走り、石垣市の市街地近くにあるホテルを目指します。
 今回は貰い物のJTBの旅行券を使うことができたので、いつものようなビジネスホテルではなく、いかにも南国らしいおしゃれなリゾートホテルへの、人生最高レベルに贅沢な宿泊。

 訪れたのは12月でしたが、ロビーで風に吹かれながら本を読んだり、プールサイドで文章を書いたりと、冬とは思えないような温かさを満喫しました。

12月でも暖かい、石垣島のリゾートホテル(グランヴィリオリゾート石垣島)
12月でも暖かい、石垣島のリゾートホテル
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うっかり借りたレンタサイクルが正解

 竹富島への高速船が出る、石垣港の離島ターミナルは市街地の中心近くにあって、ホテルからは車ですぐ。
 船の便数は一時間に2本ほどあるし、所要時間も20分程度ということで、コンビニに立ち寄ってお昼ご飯を買ったりしながら、気楽にぶらぶらと港へ向かいました。
 前日には波照間島へ渡りましたが、こちらは船の便数も少ないし、海が大荒れで出航するかどうか港に着くまで分からないという大変な状況だったので、ずいぶんな違いです。

 内海のような穏やかな海を進む船で、あっという間に竹富島に到着。
 島のフェリーターミナルから集落までは1キロちょっと。普通に歩こうかと思っていたのですが、レンタサイクル屋さんがたくさん勧誘に来ていたので、まあ自転車のほうが楽かなと借りることにしました。

竹富島・西屋敷の風景
竹富島・西屋敷の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 ワゴン車に乗せてもらって、着いたのはなんと集落の中心。
 ここで自転車の貸し出しをしますということでしたが、いわば目的地に着いてしまったわけで、もうレンタサイクルの必要がない。そうは言っても、車で送ってもらった以上は借りないわけにもいかず。

 じゃあ短時間だけでもとレンタサイクル借りましたが、これが正解でした。
 三つの集落を全部巡り、コンドイ浜まで行ってお昼を食べてと自由に動き回ることができました。蒸し暑くて、もはや汗だく。
 結局、帰りの飛行機に間に合うギリギリまで、竹富島の観光を自転車でフルに楽しむことができたのでした。

竹富島・コンドイ浜のビーチ
コンドイ浜のビーチ(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

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