「山鹿湯町」として、古くからの温泉場としても知られる山鹿。
豊前街道の宿場町で、菊池川を利用した水運の拠点でもあったことから、その繁栄ぶりを今に伝える町並みの風景が残されています。
温泉場としてのシンボルである「さくら湯」や、重要文化財の芝居小屋「八千代座」など、人気の観光スポットも多いこの町。
この記事では、山鹿の町並みの見所や、鉄道やマイカーで訪れる場合のルートや駐車場などについて紹介しています。
実際に訪問した時の訪問記も掲載しているので、こちらも参考にしてみてください。
古くからの温泉場としても知られる、豊前街道の宿場町
旧豊前街道に沿って、古い家屋が建ち並ぶ下町(しもまち)
熊本県の北端に位置する山鹿(熊本県山鹿市)は、熊本城下と豊前の小倉を結んだ豊前街道の宿場町です。
温泉場としても古くから「山鹿湯町」として栄え、平安時代にはすでに「温泉郷」の名で呼ばれていたという記録があります。
八千代座通りから、菊池川の北側にある山鹿惣門跡にかけての旧豊前街道沿いの各所に、古い町並みが残ります。
特に、中村薬品から千代の園酒造付近にかけての下町では、青みがかった漆喰の壁が特徴的な商家が連続する様子を見ることができます。
これは、豊前街道と菊池川が交差するこの辺りが水運の拠点だった名残で、この町が物資の集散地として重要な地位を占めていたことが分かります。
かつての繁栄ぶりが、そのまま伝わってくる風景です。
山鹿温泉のシンボル的存在「さくら湯」
有名な温泉場ということで、市内にはホテルや旅館がいくつもあります。
その山鹿温泉のシンボル的存在が、共同浴場の「さくら湯」
元々は、明治時代に建てられた建物だったのですが、1970年代に残念ながら取り壊されてしまい、現在のものは2012年に復元されたものです。
もちろん入浴もできますし、殿様のために造られた浴場を復元した「龍の湯」を見学することも可能で、レンタサイクルが借りられる観光案内所も併設された施設となっています。
重要文化財の芝居小屋「八千代座」の周辺も観光スポットに
山鹿のもう一つのシンボルと言えるのが、明治時代に地元の実業家たちが造ったという芝居小屋の「八千代座」で、国の重要文化財にも指定されています。
内部の見学も可能で、当時のままの舞台の姿を見ることができますが、訪問した時はイベントで使用中のために撮影ができませんでした。
代わりに、公式ホームページへのリンクを張っておきます。
八千代座からさくら湯までの「八千代座通り」にも、立派な商家が何軒も残っています。
店舗として再利用されている建物も多くて、観光スポットとしても人気となっているようでした。
確かにおしゃれで、中をのぞいてみたくなる雰囲気がありますね。
アクセス方法
マイカー・レンタカー利用の場合
九州自動車道から県道16号経由で約15分
これほどの規模の町ですが、市内には鉄道が通っておらず、高速道路のインターチェンジもありません。
しかし、九州のメインルートともいえる九州自動車道の菊水インターからはわずか10キロほど。約15分ほどで来ることができるので、マイカー利用なら十分に便利な場所と言えそうです。
駐車場もたくさんあります
人気の温泉場ということで、市内にはいくつもの駐車場があります。
特に、さくら湯のすぐそばにあるショッピングセンターの「温泉プラザ山鹿」には駐車台数が合計で約200台もの駐車場があり、1時間無料で利用することができます。
また、温泉プラザで1000円以上の買い物をしたり、さくら湯や八千代座で駐車券を見せるとさらに一時間無料のサービス券を発行してもらえます。
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鉄道とバスを利用する場合
1960年代に「山鹿温泉鉄道」が廃止されて以来、山鹿市には鉄道が通っていません。
鉄道利用で訪れる場合、九州新幹線の新玉名駅から九州産交バスを利用して約50分で到着することができます。
本数も1日10本ほどはあるようなので、それほどアクセスが悪いということはなさそうです。
麹のお店で甘酒ヨーグルトアイス ~山鹿の町並みを歩いてみました~
まずは山鹿市内の鞠智城跡へ
熊本県でも有数の規模の古い町並みが残る山鹿市。温泉地としても知られます。
鉄道路線が通っていないので、熊本空港で借りたレンタカーで訪れました。
国道325号線を北上して、まずは山鹿市内の鞠智城跡公園というところに立ち寄ります。
ここは、戦国時代などの城とは全く違い、七世紀後半に造られた古代山城の跡ということで、八角形の鼓楼などが復元されています。
広場のあちこちに古代の建物が点在する風景は独特のものでしたが、広々とした芝生も気持ちの良くて、訪れてよかった場所でした。
思い出に残った甘酒ヨーグルトアイス
さらに国道を走り、山鹿市の中心部へ。温泉の町として知られる場所だけに、市内には旅館やホテルが多数集まっています。
「温泉プラザ山鹿」というショッピングセンター近くの駐車場に車を停めて、さっそく市内観光へ。
すぐそばには、山鹿温泉のシンボルとも言える「さくら湯」という共同浴場があります。
非常に立派な木造の建物は、2012年に再建されたということで、1970年代に取り壊された先代の「さくら湯」を復元したものとのことでした(その間は「温泉プラザ」の中に「さくら湯」があったようです)
続いて「八千代座」へ。明治時代に造られた芝居小屋で、国の重要文化財に指定されています。
古い芝居小屋は、愛媛の内子座など各地で見たことがありますが、ここも大変立派なもので、当日はイベントが行われていました。実際に使われているというのは素晴らしいですね。
そこからは、「八千代座通り」を南下して、いよいよメインの古い町並みを歩きます。
かなりの距離に渡って、通りのあちこちに古い家屋が点在していますが、もっとも高密度に歴史町並みが見られるのは、豊前街道山鹿惣門のある菊池川の北側です。
ここは豊前街道と菊池川が交差する地点として、水運の拠点となっていたようです。
物資の集散地として栄えた山鹿のにぎわいを、今も当時のままに感じることができると思います。
千代の園酒造の向かい側にある麹の専門店「木屋 本店」では、店舗の内部を少し見学しながら甘酒の試飲をすることができました。
甘酒ヨーグルトキャンデーというアイスバーを食べましたが、こちらもおいしくて、良い旅の思い出になりました。
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httsp://www.ne.jp/asahi/kozo/nz/yamg.htm