津和野の古い町並みを歩いてみよう ~漆喰の白壁と赤瓦が美しい城下町~(島根県)

城下町・武家町
城下町・武家町重伝建地区小京都山陰エリア

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 小さな盆地の中にある城下町、津和野。
 古い商家の建ち並ぶ町並みや鯉の泳ぐ水路で知られる武家屋敷町などが今も残り、「小京都」の代表格としても知られる、人気の町です。

 町はずれの高台には立派な石垣の残る津和野城跡がそびえ、観光リフトで山上へと登れば、簡単にはるか下方の町を一望することもできます。

 この記事では津和野の町並みの見どころや、鉄道やバス路線、マイカーで訪れる場合のルートや駐車場などについて紹介しています。
 実際に訪問した時の訪問記も掲載しているので、こちらもこの町を歩きに行くときの参考にしてみてください。

「小京都」の代表格として知られる城下町

小さな盆地に、城下町の古い町並みが残る

 島根県の西端、山口県との県境近くに位置する津和野(島根県津和野町)は、13世紀に津和野城が築城されて以来の歴史を持つ城下町で、小京都の代表格としても知られます。
 江戸時代初期に城主の坂崎氏が本格的な町の整備を開始し、それ以降この地方の産業・文化の中心地として発展しました。

 津和野川沿いの小さな盆地の中にある、城下町の面影を残す市街地の各所で、古い家屋が建ち並ぶ町並みを目にすることができます。

 特に本町通の周辺には重厚な造りの商家が数多く現存しており、漆喰の白壁の上に赤い石州瓦を使った屋根が続く風景が、いかにも山陰地方の町並みという雰囲気です。
 この一帯は、国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)にも選定されています。 

津和野・本町の町並み
津和野・本町の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

武家屋敷町の風景が残る、殿町

津和野・殿町(多胡家表門)の風景
津和野・殿町(多胡家表門)の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 本町通を南側へと進むと、通りの名前は殿町通りに変わります。
 変わるのは名前だけではなく、商人地だった本町とは違ってこちらは武家地となっており、その景観もがらりと変わります。

 広々とした通りに沿って鯉が泳ぐ水路が流れ、瓦屋根を載せたなまこ塀のあちこちに武家屋敷門が残る風景は、いかにも城下町らしい風情が感じられます。
 観光客にも人気のあるエリアで、津和野と言えばこの風景を思い浮かべる方も多いかもしれません。

 これらの門は、津和野藩の家老だった多胡家・大岡家の屋敷のもので、非常に立派な造りなのもうなずけます。 

津和野・殿町の風景
津和野・殿町の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

津和野城跡と太皷谷稲成神社にも行ってみよう

素晴らしい絶景の山城、津和野城跡

 市街地の南西側、町を見下ろすような山の上には、津和野城跡が残っています。
 高さ200メートルほどの場所にありますが、殿町から徒歩15分くらいで観光リフトの乗り場まで行くことができるので、これに乗れば簡単に城跡までたどり着くことができます。

 津和野の町が一望できる、まさに絶景スポットというべき場所で、山城らしい立派な石垣を見ることもできます。
 ぜひ訪れてみることをお勧めします。 

津和野城址からの眺望
津和野城址からの眺望(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

日本五大稲荷、太皷谷稲成神社

 津和野城への観光リフト乗り場の近くには、太皷谷稲成神社という稲荷社があります。
 五大稲荷神社の一つに数えられるということですが、京都伏見稲荷を連想させる「千本鳥居」の風景はかなりの迫力があって驚かされました。

 麓から見上げても、山の斜面に延々と赤い鳥居が並ぶ参道が続くのを確認することができ、ただごとではない雰囲気を醸し出しています。
 城跡の帰り道に簡単に立ち寄ることもできるので、こちらも必ず訪れておきたいところです。 

津和野・太皷谷稲成神社の「千本鳥居」
津和野・太皷谷稲成神社の「千本鳥居」

人気の観光地だが、落ち着いた雰囲気も

津和野・本町通の風景
津和野・本町通の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

「小京都」の代表格として知名度も高く、「SLやまぐち号」が走ることなどから、観光地としてもその名を知られる津和野。

 確かにみやげ物屋さんや観光客向けの飲食店なども多いのですが、景観を守るために条例などで規制を行っていることもあってか、俗化した観光地という印象は感じられませんでした。

 全体に上品な感じの、おすすめできる場所と言えます。

アクセス方法

津和野・本町の町並み
津和野・本町の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

鉄道・バス利用の場合

 津和野にはJR山口線が通っていて、町の北側すぐの場所に津和野駅があります。
 そのため、鉄道で訪れるにも便利な町だと言えます。

 津和野駅は「SLやまぐち号」の終着駅となっているほか、特急「スーパーおき」の停車駅(1日3本)ともなっており、山口駅方面の列車は1~2時間に1本程度走っています。
 決して本数が多いわけではないので、利用に当たっては時刻表や乗り換えアプリなどでの事前確認が必須となります。

 所要時間は津和野~新山口(山陽新幹線停車駅)間が「スーパーおき」利用で1時間程度、運賃は2,700円となっています。
 萩方面へは、益田駅から山陰本線経由で東萩駅まで、同じく「スーパーおき」利用でも最短で約2時間、接続によっては4時間以上かかる場合があります。

 萩・津和野間は、萩市の中心部にあるバスセンターを経由する防長交通のバスを利用するのが主流で、こちらを利用すれば所要時間は約1時間半、本数も1日5本程度はあるようです。

https://www.bochobus.co.jp/files/libs/4724/202304071041389764.pdf
(防長バス時刻表、2023年4月現在)

マイカー・レンタカー利用の場合

国道9号線がすぐ近くを通る。最寄りの高速道路は中国道の六日市インター

 山あいの小さな町ということで、高速道路などは通っていません。
 その代わりに、山陰地方における最重要路線というべき国道9号線(日本海側の益田と、太平洋側の山口市を結ぶ区間)が、町のすぐそばを通っています。

 関西方面などからの高速道路利用の場合は、中国自動車道の六日市インター(島根県吉賀町)から国道187号線などを経由して約40分ほどです。

 また、津和野とセットで訪れる人が多い、萩の町を観光した後などに立ち寄る場合は、県道11号線などを利用して約1時間程度で到着します。 

駐車場もいくつもあります

 JR津和野駅の北側に有料の観光駐車場があり、最大30台の車を停めることができます。
 また、殿町の辺りにも津和野町役場の駐車場(休日のみ観光客も利用可)などいくつもの駐車場があり、太皷谷稲成神社を参拝する場合はその駐車場を利用することも可能です。

 

実は落ち着いた雰囲気の城下町 ~津和野の町並みを歩いてみました~

バスからも見えた、津和野の城下町

 萩&津和野と言えば、超定番の観光コースとして人気を誇ったコンビです。
 若い女性が多数、この二つの町をセットで訪れた時代もありました。JR山口線をはしる「SLやまぐち号」の終点も、この津和野になっています。

 そういう理由もあって、津和野と言うと観光色の強い町という先入観を持っていたのですが、実際に訪れてみると決してそんなことはなく、落ち着いた雰囲気の町でした。

 津和野へは、やはりこの定番コース通り、萩に泊った翌日にバスに乗って訪れました。 萩の町の中心にあるバスセンターから、約1時間半ほど。
 津和野の町が近づいてくると、眼下の盆地に広がる市街地が一望出来たりして、なかなか良いルートでした。
 10月の終わりごろでしたが、晴れて良い天気の暖かい日でした。

国道9号線から見える津和野の町
国道9号線から見える津和野の町

名物「うずめ飯」と天空の城、津和野城跡

 バスは津和野駅前に着きますが、そこから城下町の中心までは歩いてすぐ。
 商人地の本町と武家地の殿町という、すぐ隣接してはいても全くカラーの違う町並みを、のんびり見て回ります。
 商家の並ぶ本町のほうが「古い町並み」らしくはありますが、広々とした通りの両側に武家屋敷が続く殿町も歩いていて気持ちよく、どちらも気に入りました。

 昼食は名物料理の「うずめ飯」。一見、ただのお茶漬けのように見えますが、そのご飯の下に鯛や野菜の具が隠れているという、面白い料理です。
 津和野の町なかには、「うずめ飯」を出すお店が何軒かあるので、簡単に食べられると思います。

津和野のうずめ飯
うずめ飯

 その後、市街地を南に歩いて、津和野城跡へと登るリフトに乗りました。
 津和野城は立派な石垣が残る山城で、広々とした敷地から遥か下方の市街地を見下ろす感じはまさに「天空の城」で、兵庫県の竹田城を連想しました。

 帰り道に太皷谷稲成神社を参拝して、参道の千本鳥居を下って津和野観光は終了。
 津和野川を渡る鉄橋の下を通りがかったところで、山口線を走っていくディーゼルカーを見ることができました。
 次の列車で、新山口まで帰ります。

山口線のキハ40(津和野)
山口市方面へと向かう、1両編成のディーゼルカー(キハ40)

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