川越の古い町並みを歩いてみよう ~蔵造りの町並みが残る「小江戸」~(埼玉県) 

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 重厚な店蔵が建ち並ぶ古い町並みが今も残り、「小江戸」の代表格としても知られる川越。
 新河岸川の水運で栄えた町ですが、元々は江戸と同じくらいの古い歴史を持つ城下町でもあります。

 表通りである「川越一番街」や「菓子屋横丁」などの昔懐かしい風景が人気で、観光地としても大変な賑わいを見せます。

 この記事では、そんな川越の町並みの見所や、鉄道やマイカーで訪れる場合のルートや駐車場などについて紹介しています。
 実際に訪問した時の訪問記も掲載しているので、こちらも参考にしてみてください。

重厚な店蔵が建ち並ぶ、関東を代表する古い町並み

蔵造りの建物が残る「小江戸」として人気の町

川越の町並み
川越の町並み(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 関東では有数の規模となる古い町並みが残り、「小江戸」の代表格とされる川越(埼玉県川越市)
 新河岸川の水運を利用した商業で繁栄した町ですが、元々は15世紀に太田道灌が川越城を築城したのが川越の歴史の始まりで、江戸とほぼ同じくらいの長い歴史を持つ城下町でもあります。

 江戸時代には、江戸の北側を守る拠点として重視されていて、江戸との交流が盛んであったことから、その文化の影響を強く受けています。
 そのため、蔵造りの建物が並ぶ「小江戸」と呼ばれる町並みが残ることになりました。
 国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)にも選定されています

 大正時代、埼玉県内で最初に「市」となったのは、現在のさいたま市にあたる浦和でも大宮でもなくこの川越で、この町が商業の中心地としていかに栄えていたかが分かります。
 今でも人口30万人を超える大きな町であることには変わりませんが、古い町並みが残る旧市街は、たくさんの土産物屋さんなども集まる人気の観光地となっています。

「川越一番街」とその周辺に古い町並みが残る

川越一番街の風景
川越一番街の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 重厚な蔵造りの建物(店蔵)が並ぶ、川越を代表する古い町並みの風景が見られるのが、「川越一番街」の通りです。
 大きな鬼瓦の載った分厚い屋根や黒壁が特徴的な店蔵は非常に迫力があり、他ではあまり見られない景観となっています。

 その多くは、明治26年の大火の後に建てられたものですが、最古の「大沢家住宅」は江戸時代、18世紀の終わりに建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。

 表通りから離れて「かねつき通り」や「菓子屋横丁」などの横道に入っても、木造家屋の土産物屋さんや菓子屋さんが並ぶ風情のある風景が見られて、観光客にも人気となっています。
 交通量の非常に多い県道39号線の一部である一番街よりも、むしろゆっくりと散策できるかもしれませんね。 
 

川越・菓子屋横丁の風景
菓子屋横丁の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

川越のシンボル的存在、「時の鐘」

「時の鐘」のある「かねつき通り」の風景
「時の鐘」のある「かねつき通りの風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 川越のシンボル的な存在となっているのが「時の鐘」で、「かねつき通り」の古い町並みの中に鐘楼が建つこの風景を、写真などでご覧になったことのある方も多いかもしれません。

 元々は江戸時代に建てられたものですが、その後大火で焼失しては再建されることを繰り返し、現在の「時の鐘」は明治の大火の翌年に再建された四代目。
 それでも100年以上の歴史がある、貴重なものとなっています。

 今でも正午などに1日に四回、鐘の音を街に響かせています。 

実は数多く残る「旧八十五銀行本店」などの洋風建築

旧八十五銀行本店本館
旧八十五銀行本店本館(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 実は洋風建築が数多く残る川越の町。
 代表的なのが、大正時代に建てられた旧八十五銀行本店本館で、現在は後身である埼玉りそな銀行の支店として使われています。
 埼玉県で最初の銀行だったということで、やはりこの町が商業都市としていかに栄えていたかが分かります。

 他にも仲町交差点の周辺や、「大正浪漫通り」などに多数の洋風建築が見られ、カフェなどとして使われています。
 川越観光協会が洋風建築めぐりのマップを用意してくれていたので、紹介しておきます。

アクセス方法

川越一番街の風景
川越一番街の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

鉄道利用は非常に便利、駅が3つもある

 首都圏の一部である埼玉県の町で、しかも交通の要衝となっていることもあって、鉄道で訪れるのも非常に便利です。
 利用できる駅はなんと三つもあり、古い町並みの辺りに最も近いのが西武新宿線の終点である本川越駅。
「時の鐘」までで約1キロ、徒歩15分程度です。

 次に、本川越駅の西側約400メートルの場所にある、東武東上線の川越市駅。ここから歩いても、時間的にはそれほど変わらないでしょう。

 最後にJR川越線の川越駅。ここは若干離れていて、「時の鐘」までは2キロほどありますが、商店街などを眺めて歩けば、それほど遠くは感じないかもしれません。
 東武東上線の駅でもありますが、ここよりは川越市駅のほうが近いですね。

 どの路線も列車本数を気にする必要のないレベルだと思いますが、東京駅からの場合は東京メトロ丸の内線で池袋まで出て、そこから東武東上線に乗り換えというのが所要時間50分と一番早いようです。


マイカー利用の場合

関越自動車道の川越インターが近い

 高速道路を利用する場合、関越自動車道の川越インターが最寄りとなっていて、約20分で駐車場まで到着します。
 マイカー利用でも便利に見えますが、川越市内は非常に渋滞が激しいようなので、一番街などの市内中心部を通るのは避けたほうがよさそうです。
(グーグルマップはかなりの迂回コースを薦めています)

無料の市内観光駐車場がある

 川越市が薦めているのが、「あぐれっしゅ川越」という道の駅のような施設に併設された「市内観光駐車場」で、駐車台数は約300台で無料と使いやすそうなのですが、その代わり一番街の辺りまでは1キロほどの距離があります。

 もっと近い場所ならば、川越市役所の駐車場が利用可能ですが、役所が休みになる土曜や休日のみ観光客も利用可となっており、観光利用の場合は最大1時間400円ほどかかります。

 市街地のため、コインパーキングもたくさんありそうですが、渋滞の中を探し回る労力を考えると、避けたほうが無難かもしれません。

変わらぬ姿の古い町並み ~川越の町並みを歩いてみました~

渋谷から、地下鉄と東武東上線で川越市まで

 所用で東京の渋谷に出かけた後、少し時間ができたので、どこかに寄ろうと思って鉄道の路線図を見るうちに、東京メトロの副都心線に乗れば、埼玉県和光市まで行けるらしいということに気づきました。

 路線名のイメージと全然違っていてちょっと驚いたのですが、和光市駅から東武東上線に乗り継げば、その先には川越があります。

 都内でうろうろするより、久しぶりに川越の町並みを歩きに行こうと思って、副都心線の乗り場へと向かいました。
 慣れない東京の鉄道とは言え、このコースなら迷いようがありません。
 うっかり「川越駅」で降りそうになったりしましたが(降りても少し歩く距離が伸びるだけですが)、無事に「川越市駅」に到着。

 川越にはこの東武東上線と西武新宿線という大手私鉄の幹線、それにJR川越線の三つの駅があるわけですが、その事実がこの町がいかに重要な場所だったかを物語っているようです。

昔と変わらぬ、川越一番街

 川越市駅は商店街の外れにあるこじんまりとした駅、という感じです。
 まずは本川越駅の北側へ出て、そこから中央通りを歩き、20分ほどで蔵造りの町並みが残る川越一番街へ。
 ここには以前一度だけ来たことがあるのですが、その時は車だったので停める場所を探すのが大変でした。
 今回は平日の夕方ということで、通りを走る車の数は以前来た時よりも少なめでしたが、それでもなかなか途切れることが無くて、蔵造りの建物が並ぶ様子を写真に撮るのは大変でした。

 さすがにしっかりと保存が行われているようで、町並みの様子は10年ほど前に来た時とほとんど変わりがありませんでした。

川越一番街の風景
川越一番街の風景(画像クリックでこの場所のGoogleMapが表示されます)

 一番街を行き来しながら、川越のシンボルである「時の鐘」がそびえるかねつき通りや、門前横丁・菓子屋横丁などの脇道にも入ってみます。
 ここはお土産物を買ったり、飲食を楽しんだりもできる人気の場所で、観光客で相当に混雑することもあるのですが、時間も遅めだったので、のんびりと歩くことができました。

 一通り歩いて、駅へと帰ります。
 今度は川越駅まで歩いてみました。JRも乗り入れる川越駅は、西武の本川越駅と同じく、いかにも町の玄関口を思わせる大規模な駅なのでした。

 バスターミナルの周りに建つビル群を眺めていると、長年の間に町の中心がこちらに動いたのだなあということを、改めて実感させられたのでした。

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