2026年夏の町並み取材まとめ ~三輪・高取(奈良)菅浦(滋賀)串本・雑賀崎(和歌山)~

和歌山市雑賀崎
和歌山市雑賀崎

 この数年間、毎年夏場には北海道とか中国地方、北関東などへの遠出をしていたのですが、今年は非常に珍しく、関西から出ずに過ごすということになりました。多分、コロナ以来かと思います。
 特に大きな理由はないのですが、いつものメンバーでの旅行がまとまらなかったとか、あまりの猛暑で躊躇したとかで、なんとなくきっかけがなかった感じです。

 ただ、一番の遠出になった和歌山県の紀伊勝浦(7月末)は、大阪から特急でも4時間かかったので、同じ関西とは言ってもほかの地方に出かけるよりも遠いくらい、南国らしい青い海を見たりしてたらそれで夏の旅行としては満足してしまった、というのも大きそうです。

 他にも、こちらもずっと行こうと思っていた、奥琵琶湖の一番奥にある菅浦を訪れることもできて、こちらも在住する京都の隣の滋賀とは言え、遠くまで行ったという実感がありました。

三輪・高取(奈良県・6月)

奈良県桜井市三輪の町並
奈良県桜井市三輪の町並み
奈良県桜井市三輪の町並み
奈良県桜井市三輪の町並み
奈良県高取町の町並み
奈良県高取町の町並み
奈良県高取町の町並み
奈良県高取町の町並み

 まだ6月なので、梅雨の合間という感じの日に出かけることになった、奈良県桜井市の三輪の町並み。新サイトへの移行作業をしていて、近場なのにあまりにも長い間訪れてないのを思い出して、写真を撮りなおすというつもりで出かけたのでしたが、なかなか良い町並みが残ってるなと改めて感じました。

 ついで、というにはちょっと離れてますが、高取の土佐(高取城の城下町)の町並みも何年も歩いてなかったので、こちらも訪問。景観の整備などが行われたり、カフェなどに変わっている建物があったりとわずかな変化はありましたが、大きな変化はなく安心しました。
 街道沿いに延々と古い町並みが続く様子は、相変わらず見事でした。

高取(奈良県高取町)の古い町並み ~山城のある町として知られる、奈良盆地南端の城下町~
高取(奈良県高取町)takatori 山城のある町として知られる、奈良盆地南端の城下町 高取の古い町並み(概要)高取は三大山城の一つ、高取城の麓にある2万5千石の城下町。豊臣秀長の家臣、本多利久によって、城郭と城下町の整備が行われた。町の中…

菅浦(滋賀県・7月)

滋賀県長浜市菅浦の町並み
滋賀県長浜市菅浦の町並み
滋賀県長浜市菅浦の町並み
滋賀県長浜市菅浦の町並み
滋賀県長浜市菅浦の四足門
滋賀県長浜市菅浦の四足門
滋賀県長浜市菅浦の須賀神社
滋賀県長浜市菅浦の須賀神社

 町並み・集落歩き界隈では割とよく知られている、奥琵琶湖の湖岸集落。近場の滋賀にしてはちょっと遠く、いずれ行こうと思い続けてはいたものの、ようやく今になって訪れることになりました。

 京都からだと、北陸道経由で行くルートが最速のようなのですが、琵琶湖の西側には161号バイパスや湖西バイパスなどの無料の自動車専用道がほとんどずっとつながっていて、大津から海津辺りまでは高速を使わなくても意外と時間がかかりませんでした。
 ちょうど琵琶湖を半周するようなルートにもなるので、奥琵琶湖へ行くのならとこちらを選択(高速代をケチったというのも事実)

 そこから海津大崎を回り、岬巡りみたいな一本道をずっと走っていくと、ようやく菅浦に到着しました。これも海津大崎経由より、永原経由のほうが速かったかもしれませんが、奥琵琶湖の静けさに満ちた風光明媚な風景をずっと眺めながら走れるコースなので、これでよかったと思います。

 菅浦は、いくつもの入り江が入り組んだ地形の一番奥にあり、かつては船でしか行けなかったという場所で、高度な自治が行われていたことでも知られます。集落の入り口にあった四足門のうち、西と東の二つの門が今も残ります。
 実際訪れてみてもどこか格の高さというか特別感が感じられて、晴れた午後を狙って訪れたこともあって、湖岸に面した集落の素晴らしい風景を見ることができました。
 ちゃんと主力機の一眼レフ(D7500)を持って行ってよかった、と思いました。

 なお、途中にあった大浦の集落も、丸子船による水運の大きな拠点だったということで、なかなか良い町並みが見られました。
 目的地には特に入ってなかったのですが、こうしてふと気になった町を歩いてみるというのも良いものです。
 最後は、海津浜の石積みを少しだけ見てから帰りました。

滋賀県長浜市大浦の町並み
滋賀県長浜市大浦の町並み
滋賀県長浜市大浦の町並み
滋賀県長浜市大浦の町並み

和歌山県那智勝浦・串本(7月)

串本市古座の町並み

くろしお(オーシャンアロー)
紀勢本線の車窓

 近年は、夏場に旧18切符を使って和歌山県へ出かけることが多く、しかも段々南のほうまで出向くようになってきて、おととしには紀伊田辺を訪れて一泊しています。
 紀伊半島自体は以前に旅行グループで潮岬を通って一周し、新宮にも立ち寄ったことがあるのですが、この時は自分の車で行ったので、紀勢本線に乗ったことがある南限は長らく白浜までとなっていました。
 一度は「くろしお」に乗って、串本や紀伊勝浦辺りまで行きたいと思ってたのですが、ちょうど18切符が事実上の廃止になったということもあって、ついに新大阪からの「くろしお」(今年で30周年の「オーシャンアロー」タイプの車両だった)で串本まで行ってみることにしました。

 紀勢本線の串本付近は絶景で知られ、南国の青い海が広がる車窓が見られます。まさにこれが、南紀方面の魅力です。

 実際に降りたのは串本駅から少し先の古座駅で、新大阪から3時間40分。東京や博多よりも遠い感じでした。駅でレンタサイクルを借りて、古座の町並みへ。古座川の河口に発達した細長い集落で、紀州藩の捕鯨基地として、また古座川上流で算出された木材などの流通拠点として発展した町です。規模が大きいというか、とにかく町並みの続く距離が長くて見ごたえがありました。

串本町古座の町並み
串本町古座の町並み
串本町古座の町並み
串本町古座の町並み

紀伊勝浦の昭和レトロ商店街

 古座からは各駅停車で宿泊地の紀伊勝浦に向かいました。駅前にある「いざかた通り」というアーケード商店街が、ただ事でないほど素晴らしい昭和レトロ系の町並みで、もはや文化財として末永く保存してほしい、と思うほどでした。人気の観光地のおかげか、シャッター通り化せずにちゃんと機能しているのも良かったです。
(余談ながら、本当は昭和レトロ系もあちこちで撮影してて、もっと紹介したいとずっと思ってますが)

紀伊勝浦・いざかた通り商店街
紀伊勝浦・いざかた通り商店街
紀伊勝浦・いざかた通り商店街
紀伊勝浦・いざかた通り商店街
20世紀繁華街―電気走行時代2
20世紀繁華街「20世紀繁華街」は「まちなみ街道別館」の一つとして、昔ながらのアーケードなどが残る商店街を紹介するサイトとして一時公開していました。途中からブログに統合したのですが、数か所掲載しただけで後が続かず。今となっては存在しない、貴…

熊野那智大社と熊野古道

 翌日は、ここまで来たのだからと熊野那智大社と那智の滝まで行ってみることに。ここへ行けば、熊野三山はコンプリートになります。

 紀伊勝浦駅からバスで近くまで行けるので楽だろうと思ってましたが、降りてからが結構な下りや登りの連続。京都よりはずっと涼しいとはいえ猛暑は猛暑で、脱水すれすれでかなりへとへとになりました。
 おまけに熊野古道の代表とも言える大門坂を下ってバス停に戻ることにしたのですが、下りだから楽勝と思っていたら、不安定な大昔の石段を下り続けるのはむしろ大変で、その後も足の痛みがしばらく残りました。

 しかしあそこまで行って、熊野古道を歩かないという選択はできませんね……。実際、歩いてよかったです。

青岸渡寺と那智の滝
熊野古道大門坂

串本と「無量寺」の芦雪・応挙

 この時点でかなりライフゲージはゼロに近かったのですが、本州最南端の町である串本がどうしても見たかったので、紀伊勝浦から短距離ながら「くろしお」に乗るという贅沢(ただし、「J-westチケットレス」というので特急券を買うと、半額などの格安で乗れる)をして、串本駅へ。
 地形の面白さ以外に町についての予備知識はなかったものの、地図で見て気になった「無量寺」(最近興味のある長澤芦雪や円山応挙の作品が展示されていると解説されていた)へと行ってみます。
 すると、やはりというかお寺の周辺が旧市街の中心だったようで、驚くほど立派な石塀などのあるお屋敷をいくつか見ることができました。

 お寺の境内にある「応挙芦雪館」に行ってみると、「(芦雪の代表的な作品の)龍虎図の襖絵がちょうど和歌山市の県立美術館に行ってるので見られないけど良いですか」とのことでしたが、元々何も知らずに来ただけだったので、気にもせずに見学。
 実はこのお寺は芦雪ファンにとっては聖地みたいな場所だったというのは、展示を見ていてようやく気付きました。
 こうなると、龍虎図のほうも見たくなるわけですが、それはまた別の話で。

 結局、串本でも炎天下をかなり歩き回って、疲れ果てた状態で紀伊田辺行の各停に乗り込むことになりました。夏休みで、しかも旧18切符の廃止でローカル線がほとんど混まなくなったようで、再び車窓の海を眺めながらの帰途に就くことになりました。まさに、夏の旅。

串本町の町並み
串本町の町並み
無量寺と「応挙芦雪館」
無量寺と「応挙芦雪館」
紀伊田辺の歓楽街の夕暮れ
串本から紀伊田辺行、普通列車からの車窓に広がる海

和歌山県和歌山市雑賀崎(8月)

 というわけで、こちらが串本の続編の「別の話」ということになります。
 串本の無量寺で見られなかった、芦雪の龍虎図の襖絵ですが、和歌山市の県立美術館で開催中の特別展「蘆雪生動 ―南紀 無量寺への旅―」で展示中ということで、ならばと和歌山市へやってきました。
 チケットレス特急券があまりに安いのでまた「くろしお」を使いました。近場の和歌山市で日帰りも十分可能ですが、JR和歌山駅前に泊まったことがなかったので(南海和歌山市駅には泊まったことあり)、駅と近鉄デパートに直結のホテルに泊まることにしました。

 ところが県立美術館に向かったところ、なんと日程の確認をミスっていて、「龍」のほうは見れたのですが、「虎」のほうは裏面の「薔薇図」というのが展示されている期間なのでした。
 この「薔薇図」は猫が描かれてることで人気らしく、無量寺で見た映像でもその意味を解説してたなあと思いながら眺めましたが、「虎」には会えず。また串本へ来い、と虎が言っている姿が目に浮かびました。猫は猫で良かったですが。

 翌日は朝から、こちらも前からずっと行こうと思っていた雑賀崎へ。
 かなり広い和歌山市街の外れのようなところにある町ですが、駅からはかなり遠いし、バスの本数が少ないので、駅前で泊まれば楽に時間を合わせてバスに乗れるだろうという、そういうプランなのでした。

 30分以上かけて市街地を走り抜けたバスは、海の近くまで来たところで突然曲がりくねった坂道を登り始め、かなり登り切ったところでバス停に到着。バスを降りるともう、目の前に広がる海と急な石段、そして足元に密集する集落が見えて、これは絶対に良さそうな町だと感じ取れました。

「日本のアマルフィ」とも呼ばれる雑賀崎、アマルフィがどんなところか見たことないのでよくわからないけれど、近場にも関わらず今まで来なかったのが不思議と思えるくらいに非日常の感じが楽しめる場所でした。
 海辺の急斜面の町といえば、熊野とか瀬戸内海とか四国とかに有名なところがいくつもありますが、ここもその地形の複雑さや町並みの魅力では引けを取らないと思います。
 和歌山市内にこういうところがあるのは面白いですね。

和歌山市雑賀崎の町並み
和歌山市雑賀崎の町並み
和歌山市雑賀崎の町並み
和歌山市雑賀崎の町並み
和歌山市雑賀崎の町並み
和歌山市雑賀崎の町並み

 以上が、この夏のまとめです。
 これ以外にも、細かいお出かけは非常に多かったのですが、メインの取材というとこんなところです。ひとことで言えば、ずっと行こうと思って行ってなかった、微妙に遠い近場を巡ったという感じでしょうか。
 結果的には南紀がメインの夏、という感じでしたが、おかげで関西から出なかった割には面白いところを色々見られたと思います。やはり南紀は良いですね。

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